・進展状況と主な研究成果
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本領域は計画研究8件と公募研究18件からなる。 一般的な領域では、A01班のみから構成されている、コンパクトな領域であり、各計画研究代表者が総括班を構成している。 初年度は、本特定領域研究の推進にあたり、各研究の有機的な繋がりと効率的な領域の運用のためのシステム形成を重点的に行った。 |
平成17年度 |
8課題の計画研究に着手し、推進するとともに、本領域の枠組みと構成を検討するための「フォーラム」、国外及び他分野との関連を検討するための「国際シンポジウム」を開催した。
これまで体系的に捉えられることの少なかった、日本の技術革新についての「企業内資料」、「(技術革新のインスピレーションなどの)聞き取り調査」に関して、次年度からの本格的な取り組みに向けての準備を完了した。
個別的な技術分野の発達については、技術開発に従事した技術者に技術の経緯をまとめてもらうべく、技術者の人選を行った。 また、「国家的大規模プロジェクトにおける技術融合メカニズム」他の計画研究においては、各研究を推進する上での基礎調査等を行っている。
日本の技術革新経験を将来の更なる技術革新に役立つ「知識基盤」として整備するために、知識工学・MOTなどの他分野の研究状況と本領域における補強を考慮し、「フォーラム」「国際シンポジウム」では、この分野の研究者を招き、検討を行った。 また、関連する研究を公募した。(18件の研究が採択された。)
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平成18年7月 |
前年度の成果を受け、公募研究を含めた領域全体の構成を整備している。 特に重点的に明らかにするのは、各技術分野に共通した技術革新の要因の抽出。研究成果の知識基盤化の方法である。
本年度中にかなりの具体的な成果がでることが期待されるが、これまで、国立科学博物館で蓄積してきた、技術発達に関する研究成果に加え、大幅な技術革新に関する資料の収集・分析・解釈が期待される。
特に、本研究はこれまで経験的に行われてきた国立科学博物館での近代技術史資料の収集方法を体系づけることを可能にし、収集資料の選定に理論的な根拠を与えることが可能になった。
具体的な成果としては、本研究はまだ、2年目が始まったばかりにも拘らず、企業博物館の展示品を技術発達上から捉える事を促し(カシオ計算機)、自動販売機の技術革新についての企画展を開催(本年10月予定)すべく、工業会との調整と連携を進めている。
また、放送大学等とタイアップした日本の技術革新を主題とした教科書を作成すべく調整を行っている。 |