産業技術企業は社会や文化の二一ズに応えた製品を創造し普及させ、そのことによって利潤追求を行う。従ってこの二一ズに応えた製品を生産しなければ成功しない。即ち、産業技術企業の技術革新はこのニーズに応える為に行われるのであって、それは社会や文化との相関関係の裡に行われているのである。我が国戦後の産業技術が高度の技術革新による発展を遂げたのはこの相関の関係性が極めて適切であったことに起因する。 本研究はこの相関関係を解析し知るための基礎資料を蒐集し組織化し、知識基盤化して公開することを目的としている。 この基礎資料とは、産業技術企業自身が制作し発行している自社製品のカタログを始めとする販促宣伝資料、仕様書、規格、技報、設計図などの技術資料、企画書や開発記録など製品開発に関わる社内資料等である。 我が国の基幹産業技術企業における昭和戦後期のこうした資料を蒐集してデジタル画像化して記録し、この画像資料に適切な資料組織法、検索システムを開発して、これらを画像データベースに組織し、研究用に公開することを研究目的としている。