| 特徴 |
・《 5電燈局時代の配電盤 》 5電燈局時代、各電燈局には小さな配電盤が設置された。この配電盤は火力発電所運転のための制御盤としての機能に加え、ネットワーク全体を制御する機能、つまり給電指令所や変電所・開閉所・保護リレーなど、今日の電力ネットワークを構成する基本的な要素が含まれていたのである。この配電盤の機能が高度化・分化し続けて今日の電力ネットワークに至った、いわばオリジンである。当時はとにかく電灯が点けばよいという時代でもあり、配電盤の機器構成は極めて単純なものが一般的であった。配電盤は個々に発電機をコントロールする発電機盤(Generator Panel)と、需要家への配電をコントロールするフィーダー盤(Feeder Panel)に分けられる。また、母線に集められた電気を測定するための全容量盤(Total Panel)が設置される場合もあった。 ・《 第一電燈局配電盤の復元 》 電気の史料館に展示されている配電盤はレプリカである。電燈局で使用された配電盤に関する資料は極めて少なく、残された一枚の写真をもとに、明治期の電気工学書および電気学会誌などの文献資料、海外博物館に残る初期の配電盤などを参考に復元している。 写真では配電盤の前にアーク灯点灯のためのブラッシュ式発電機が配置されているが、第一電燈局に設置された発電機の種類・台数(エジソン式10号発電機 8台、ブラッシュ式発電機3台)および配電盤に取り付けられている機器の数から判断して、白熱電球を点灯するためのエジソン式10号発電機のための配電盤と推定される。つまり、盤上に見られる開閉器や遮断器、ヒューズブロックなどの数はいずれも8の倍数、または約数となっている。但し、配電盤の右側の下部に取り付けられた箱状の機器は、現時点ではその種類・用途は不明であり、ブラッシュ式発電機のための配電盤の機能が含まれている可能性も排除できない。また、発電機の出力調整をおこなう電磁調整器(加減抵抗器)が見えないことから、写真の配電盤のほかに発電機盤の一部が別の場所に設置されていると推定される。 ・《 当時の配電盤の構成 》 発電機および諸器具保護機器:検漏器(漏電の有無を判断するためのランプ)、遮断器、避雷器 電圧調整用器具:電磁調整器(加減抵抗器の一種) 検視用器具:パイロットランプ 測定用器具:電圧計、電流計、電力計 配電および遮断用器具:開閉器 |