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白磁壺

独特の形に作られたこのタイプの製品はアンピン(安平)壺と呼ばれている。中国からの輸出品の容器として大量に生産され たと考えられる壺であるが、内容物については不詳。白磁とするが釉は青みを帯び、ふつう無文である。しかし、これは胴部に「魯文」と記されている珍しい例 だが意味は不明である。インドネシアに伝世したものと伝えられる。(山口幸雄・悦子氏寄贈) :中国・福建 / 16世紀末~17世紀

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染付 竹雀文 壺

口部が垂直に立ち、丸くふっくらとした胴をもち、高台を外反させて作った小振りの壺。胴の前後に竹の小枝に止まる鳥と、 飛翔する鳥を生き生きとした筆致で描いている。口部には雷文、肩には鋸歯(くしば)文を線描きして、その上に呉須(ごす)を濃(だ)みている。高台の周り には濃(だ)みた帯を廻らす。竹の葉が太めに描かれているのが特徴的である。(柴田夫妻コレクション7-127) :肥前・有田 / 1650~60年代

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染付 十字花文 輪花皿

やや灰色を帯び細かい貫入(かんにゅう)の多い独特の素地(きじ)、高台径の割に大きい「福」字銘、見込の十字形に表し た珍しい文様などの特徴が山内町ダンバギリ窯出土品と一致する。内面文様は1650年代の技術革新期にあって、旧来の初期伊万里の色を強く残した文様であ る。(柴田夫妻コレクション7-116) :肥前・有田 / 1650年代頃

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染付 牡丹竹柳文 壺

首は比較的短く、肩が張り、高台(こうだい)脇(わき)を削り段をつけている。この壺のような形態は、古伊万里の壺の一 般的な形式である。1660年代以降、プロポーションを少しずつ変化しながら幕末まで継続していく。首から肩にかけて連続文様をめぐらし、三方に窓をつく り、窓の間は唐花(からはな)文をほどこす。高台脇には圏線(けんせん)をめぐらし無文の空間を設ける文様構成は1670~90年代に多い。同様な文様構 成の色絵製品も同時代と考えられている。(柴田夫妻コレクション7-431) :肥前・有田 / 1670~90年代

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色絵 七福神文 筒型注器

このような背の高い三足つきの容器は金属製の蛇口をとりつけて、液体を飲料用のカップに取り分けるためのものです。コー ヒーなどを飲むために使われたものと考えられています。胴部には花見を楽しむ七福神(恵比寿・大黒・毘沙門天・弁財天・布袋・福禄寿・寿老人)があらわさ れています。当時ヨーロッパではこのような東洋的な異国情緒のある製品が喜ばれたものと想像されます。(柴田夫妻コレクション8-178) :肥前・有田 / 1730~60年代

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染付 桜文 烏帽子形皿

靴下のような不思議な形は「烏帽子(えぼし)」という頭にかぶるもの。もともとカラスの羽のように黒い袋形のものが、白 磁と染付のあざやかなコントラストの器に大変身。(柴田夫妻コレクション8-493) :肥前・有田 / 1810~50年代

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染付 算木十二支文 鉢

陰陽(おんよう)の八卦と暦の十二支を組み合わせたデザインの器。木製の曲げ物をお手本に作られ、鋲(びょう)にみたて た外側の突起がおもしろい。(柴田夫妻コレクション8-503) :肥前・有田 / 1820~60年代

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染付 団鶴亀文 蓋付碗

奈良茶飯は薄く入れた煎茶でたいた塩味の飯に、濃く入れた茶をかけて食べるもの。この奈良茶飯に用いたところから蓋付の 飯茶碗は「奈良茶碗」ともいう。しかし19世紀になり新たにこうした器形の蓋付の飯茶碗が現れ、ふつう「茶漬茶碗」と呼ばれた。(柴田夫妻コレクション 8-446) :肥前・有田 / 1810~40年代

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染付 魚唐人氷裂文 輪花皿

氷が割れたときのヒビが模様になった「氷裂文(ひょうれつもん)」は、青磁の釉表にあらわれるヒビ=貫入(かんにゅう) に似ている。中国清朝時代に流行し、その影響で有田でも描かれた。(柴田夫妻コレクション8-496) :肥前・有田 / 1820~60年代

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鉄絵沓茶碗(絵唐津)

鉢形に成形したあと、意識的に楕円形状にひずませている。いわゆる沓形(くつがた)茶碗。見込みには鉄絵で七曜文を二ヶ 所に描く。薄く掛かった透明に近い灰釉が底部に流れており、その景色がきめの細かい暗褐色の胎土に映え、趣のある茶碗となっている。甕屋の谷窯(伊万里 市)の伝世品といわれる。 :肥前 伝甕屋の谷窯 / 1590~1610年代

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色絵唐人観月文皿

染付で文様を描いた上に、銹色がかった赤、不透明な緑など初期色絵の特徴的な色調を呈した色絵をほどこし、厚手で平たい 銅鑼鉢(どらばち)形に近い皿である。中国の古染付の影響を強く受けた皿で、茶人の好みを反映し、口縁部を意識的にひずませるという特殊な器形をなしてい る。同文様で同器形の染付製品もある。 :肥前・有田 / 1640~50年代

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鉄絵草文片口(絵唐津)

本来片口として作られたものであるが、水指に転用されて伝世している。胴部の両面には2つづ草花と思われる文様があっさ りと描かれ、厚くかかった釉薬はむらに発色し、柔和な雰囲気をかもしだす。底部の方の釉薬は粒状にちぢれており、いわゆる梅花皮(かいらぎ)状である。絵 唐津の魅力が充分あらわれた素朴で力強い製品である。 :肥前・岸岳系 / 1590~1610年代

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白磁陽刻青海波文双耳付花生

口縁部には雷文をめぐらし、胴部には全面に波の文様が彫刻的にほどこされている。首部は細く、その左右には波濤形の耳が つけられており、胴部の文様と一致させ意匠に統一感が生れている。三川内で焼成された平戸藩の磁器は平戸焼と呼ばれ、本作のような広口の花生は平戸焼の典 型的なものとされる。端正な優品である。 :肥前・三川内窯 / 19世紀前半

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褐釉肩衝茶入

きわめて薄手で端正な形をしている。胴のおよそ中心部に一条の沈線が彫られ、その上方にかけてはロクロ目をめだたせ変化 をつけている。黄みを帯びた灰釉の上に褐色の鉄釉をほどこし、その一部が流れて景色をつくる。作行や内面に釉をかけていないことから、「綺麗寂び」をしめ す小堀遠州の指導をうけた、白旗窯かと考えられる茶入である。底部の糸切痕は左巻である。 :筑前・高取窯 白旗窯 / 17世紀前半

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染付楼閣山水文手焙

もともと手焙として作られたものであるが、水指として転用され塗蓋とともに伝世している。共蓋の意匠は瓢箪文で、蔓と葉 は染付で描かれ、瓢箪の部分はその形に透かし彫りであらわされている。暖気が瓢箪の透かしからあがってくるという洒脱な遊び心が感じられる。胴部の絵付け は精緻で、なめらかな曲面をあらわす器肌に、見事な楼閣山水の風景がほどこされている。高台内の中央には染付銘で「須恵」と記されている。 :筑前・須恵窯 / 19世紀前半

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兎形火入

ユーモラスな表情の兎を象った手焙。丸い兎の姿が温かみを連想させる。背面には尻尾が線彫りで表現され、可愛らしい。背 面に丸く口があけられ、そこから灰と炭を入れられる容器となっている。成形は型を用いたと推測され、胴部には継ぎ目らしい痕跡がみとめられる。無釉の底に 三ヶ所穴があけられているが、台に取り付けるためであろう。 :肥前 松浦系(椎ノ峰窯) / 18世紀後半~19世紀前半

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緑釉唐花唐草文四耳壺(二彩手)

赤褐色の素地に肩から胴にかけて刷毛で白化粧し、その白土を削ることで唐草文をほどこしている。唐花唐草文は、花はスタ ンプによる印刻、唐草文は線彫りされている。肩には耳を四個つけ、胴部まで緑色に発色する銅緑釉をかけ、下半分は鉄泥を塗る。中国、明代後半にみられる緑 や黄色などで彩色された壺を模した製品。 :肥前 武雄系 / 1630年代~60年代

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色絵草花鶴文輪花皿

乳白色の素地(濁手)の製品で、見込みには二羽の鶴が精緻に描き込まれている。二羽の鶴は互いに向き合い、一羽は地上か ら見上げ、もう一羽は飛来しようとする様であり、緊張感のある構図に仕上がっている。この文様に似た染付陶片が、柿右衛門古窯跡出土品にみられる。口縁部 には細かな花唐草文が一周し、口唇には口銹がほどこされる。 :肥前・有田 / 1670~80年代

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色絵琴高仙人文鉢

魚(鯉)に乗った仙人が染付で描かれ、内側面には六方向に赤玉と瓔珞文が配されている。外側面は交互に青地と赤地の文様 を配置し、それぞれにみごとな唐花唐草文をほどこしている。厚めの器体に精緻な線と濃み塗りで複雑な文様が構築されており、当時の技術を結集した、最上級 の製品である。 :肥前・有田 / 1690~1720年代

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褐釉御殿形蔵骨器(厨子甕)

みごとな鯱(しゃちほこ)で飾る御殿の形をなした堂々たる蔵骨器。沖縄では厨子甕(ずしがめ)とよばれる。正面に無釉部 分があり、ここには骨を納めた年月日と人名が記される。人名は消失しているが、紀年銘は清朝の乾隆54年(1789年)・嘉慶3年(1798年)がかろう じて読め、この厨子甕がこのころに製作されたものであることがわかる。浄土を象徴する蓮の表現も力強く、鯱や屋根瓦、棟の細部も丁寧に彫刻され、大物製品 の意気込みが感じられる。 :琉球・壺屋窯 / 18世紀後半

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焼締線条文瓶

沖縄の蒸留酒「泡盛」を入れる容器で、ナナゴウタワカサー(七合二升徳利)ともウニヌテイ(鬼の腕)とも呼ばれる。東京 (汐留)、金沢(安江町)、長崎(万才町)などで出土例があり、江戸時代から一部の富裕層に泡盛が流通していたか、あるいは琉球王国から将軍家への献上と ともに本土にもたらされた可能性がある。また、この種の瓶は、茶道では花生として取り入れられている。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀

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壺(パナリ焼)

沖縄八重山地方の新城島はパナリ島と呼ばれ、この地で19世紀まで製作された土器をパナリ焼と呼んでいる。粒状の土が固 まったかのような独特の質感と素朴な味わいがあり、本作のような丸形の器は代表的なものである。底部には小さな穴があけられており、骨壺として転用されて いた可能性がある。 :琉球・八重山諸島 / 17世紀~18世紀

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天目韻律花瓶

光沢のある天目釉上に、銀砂釉、鉄砂釉、瑠璃釉、緑釉で繊細な文様を描いた作品。 :肥前・有田 青木龍山作 / 平成9年(1997)

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色絵葡萄栗鼠文輪花皿

1710年、ヨーロッパで初めて東洋の磁器と同質の硬質磁器を焼成することに成功し開窯したマイセン窯では、中国・日本 の磁器の模倣をさかんに行なった。とりわけ上質で優美な柿右衛門様式の製品はヨーロッパ市場で好まれたせいか、マイセンに端を発し、その後新しく開窯した 磁器窯でも模倣された。この作品は柿右衛門様式の色絵葡萄栗鼠文の製品を模倣したもの。 :ドイツ・マイセン窯 / 18世紀~19世紀・18世紀初期

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色絵 松鳥雲文 分銅形小皿

糸切(いときり)細工(ざいく)成形による変形皿の場合、普通は高台内に圏線を引くことはないが、1640年代頃の初期 の作品に限って1本の染付線を引いたものがある。見込文様のうち、雲の赤地に点々を打った表現は初期色絵にだけみられる。(柴田夫妻コレクション 7-60) :肥前・有田 / 1640~50年代

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色絵 葦雁文 鉢

濁手(にごしで)とよばれる乳白色のやわらかな釉調であり、精巧な成形による素地(きじ)である。文様は余白を充分とり で赤、青、緑などの明るい絵の具により、外面には梅(うめ)に鶯(うぐいす)、竹、内面には雁(かり)、蓼(たで)を繊細に描く。いわゆる柿右衛門様式の 鉢であるが、胴部をくびれさせた珍しい器形である。この形に類似した土型が、酒井田家に伝世している。(柴田夫妻コレクション7-442) :肥前・有田 / 1670~90年代

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染付 芭蕉唐花文 短冊形小皿

新しい成形法として1640~50年代に始まる糸切(いときり)細工(ざいく)の初期の作例。高台を平面長方形に貼り付 けるが、さらに仕切のように1本の桁(けた)を作る。この底部の作りは、この時期に限ってみられる。内面は画面を二分し、上半に天地を無視して主文を描 き、下半に幾何学(きかがく)地文中心の文様を表すのは、中国・祥瑞(しょんずい)の影響による。(柴田夫妻コレクション7-44) :肥前・有田 / 1640~50年代

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染付 舟網唐人山水文 輪花皿

見込には山々に囲まれた湖で、船上から投網をする唐人(中国人)と船の櫓を漕ぐ唐人の図を描く。四隅には白抜きの文字で 「引網者」「不得魚」「思有意」「暗浮□」と記す。(柴田夫妻コレクション8-455) :肥前・有田 / 1800~40年代

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瑠璃釉染付 菊唐草文 小碗

素朴(そぼく)なデザインの唐草(からくさ)を呉須(ごす)で外面に描き、その部分に瑠璃(るり)釉(ゆう)という藍色 の釉薬を掛けている。内面には透明釉を施すが、高台は露胎(ろたい)である。有田磁器草創期の製品でありながら5客揃って伝世した貴重な作品である。同品 の陶片が有田町西部の天神森(てんじんもり)窯跡から出土している。(柴田夫妻コレクション7-1) :肥前・有田 / 1610~30年代

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色絵 葉文 輪花皿

高台を高く削り出し、口縁部下を指押しによりくぼませた白磁素地(きじ)は有田町山(やん)辺田(べた)窯の製品であ る。手跡も残る汚い素地の見込を濃い絵の具で塗りつぶして文様を表す。青手(あおで)様式盛行期の前半に白地を多く残した青手が作られた。(柴田夫妻コレ クション7-70) :肥前・有田 / 1640~50年代

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染付 梅花氷裂文 菊花形長皿

氷が割れたときのヒビが模様になった「氷裂文(ひょうれつもん)」は、青磁の釉表にあらわれるヒビ=貫入(かんにゅう) に似ている。中国清朝時代に流行し、その影響で有田でも描かれた。(柴田夫妻コレクション8-495) :肥前・有田 / 1820~60年代

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染付 鋸歯文 壺

このような円筒形の器はオランダの需要によって生産されたものと考えられている。用途は薬入れであり、このような器形は アルバレロとも呼ばれる。15世紀以降ヨーロッパの窯でさかんに作られるようになったが、もともとの器形のオリジナリティーは中近東にある。海外輸出時代 をむかえて、外国の需要に適応した早い時期の製品例である。(柴田夫妻コレクション7-139) :肥前・有田 / 1640~60年代

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染付 牡丹唐草文 合子

合子(ごうす)は17世紀、特に後半に多く作られた。この時期の合子(ごうす)はインドネシアを中心として東南アジアに 沢山輸出された。インドネシアなどでは古くからキンマの葉にビンロウの実と石灰(せっかい)を包んでかむ習慣があり、この石灰入れに合子を用いたという。 そのためか、1684年以降、肥前磁器の東南アジア輸出が頭打ちになると、肥前での合子生産は消える。(柴田夫妻コレクション7-327) :肥前・有田 / 1660~70年代

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色絵 琴唐人欄干山水文 輪花大皿

赤、緑、金、黄、青などで琴を弾く人物や花唐草文が描かれる。これらの上絵具は、18世紀末頃に中国清朝磁器の影響を受 けて用いられるようになった新しい絵具であり、この時代の中国磁器の影響を示す作品といえる。(柴田夫妻コレクション8-314) :肥前・有田 / 1790~1830年代

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染付 鷺草花文 手付角皿

陶板を寄せ合わせて角皿を作り、海老を意匠した把手をさし渡している。見込には牡丹花や草の間を群れ遊ぶ4羽の鷺を白抜 きであらわす。背景は濃(だ)み筆の塗り跡を残しながら、青く塗りこめる。(柴田夫妻コレクション8-427) :肥前・有田 / 1800~40年代

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褐釉耳付水指 銘「柴の庵」

「柴の庵」の銘をもつ水指の名品である。鉄分の多い黒褐色を呈する土を用い叩き成形で作られている。全体に薄くかかる木 灰釉が熔けきっていないのかマット状の質感をもち、そのせいか光沢がおさえられ、渋みと存在感のある製品となっている。底部は逆L字の凸部分があり、これ は、敷板に刻まれた彫り文様が底部に写し出されたものである。伊万里市甕屋の谷窯の製品と考えられ、ほかに同類の水指「福の神」(唐津市重要文化財)が存 在することが知られる。 :肥前 松浦系 / 1590~1610年代

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象嵌明和・喜楽銘茶碗

本作には「明和二酉(1765)肥州八代喜楽九十四歳製」の銘が象嵌であらわされており、製作年代と製作者が判明する稀 有の資料である。喜楽とは、八代系の平山窯で活躍した三代渡辺太郎介の号であり、白土象嵌の技法を完成させた人物とされる。 :肥後・八代窯 平山窯 喜楽 / 明和二年(1765)

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呉須絵竹虎文水指

水指の形自体が竹をあらわし、さらに文様で竹梅と虎をあらわす。竹と梅が呉須で描かれ、その発色は淡くにじみ、まるで水 墨画のようである。虎は貼り付け陽刻で表現され、竹林から踊り出るような勢いを感じさせる。高台の作りなどそれまでの唐津焼とは異なり、京焼を意識して作 られた、いわゆる京焼風陶器と呼ばれる肥前産の製品である。 :肥前 唐津系 / 1660~90年代

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染付松文皿

口縁は平縁で、そこに唐草文をめぐらしている。器の見込はやや深めであり、見込にすっきりと松の木および梅文が描かれて いる。その右に「香□洗□并参佰参拾壹瓶壹□ 單宗」の字句が記されている。有田の天神森窯で同様の字句が入った陶片が出土しており、この製品も同じ窯の 作と考えられている。 :肥前・有田 天神森7号窯 / 1610~40年代

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色絵葡萄栗鼠文瓢形瓶(五彩手)

肥前の色絵は1640年代に始まったが、1650年代には上質で色数の多い五彩手の製品が作られるようになる。本作はご く白い上手の素地に、赤、黄、緑、青などの色絵具で葡萄栗鼠の文様を描いている。それぞれの色の発色は初期の色絵らしくそれぞれ濃厚でやや暗い。同様の瓢 形瓶は白磁や仁清手の色絵をほどこした例が知られるが、本作は形と文様の配置も巧みな優品である。 :肥前・有田 / 1650年代

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色絵 松唐人文 輪花大皿

口縁部を18弁の波縁形に作った大皿。見込には松下の崖に座して釣をする唐人が赤、黄、緑の色絵で描かれている。周囲の 四方には木瓜形の窓を設け、松、梅、椿などの花文が色絵で描かれている。またそれらの間には、色絵で三つ葉の花を描いた丸文を配している。背景の地文は染 付で青海波、七宝繋ぎ、毘沙門亀甲、そして四方襷で埋め、周囲は白抜きの唐草文を廻らす。外面の中ほどには四方襷の帯が描かれ、染付と色絵で彩られてい る。高台内に染付銘「福」。初期色絵の大作である。(柴田夫妻コレクション7-68) :肥前・有田 / 1640~50年代

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青磁 貝文 貝形皿

この青磁の貝形皿が収納されていた箱には「青磁□□皿 廿」と側面に記され、底面には「享保四年 亥極月三日 茶屋 □□」とあります。そこから、この製品が享保四年(1719年)頃に製作され、使われていたことがわかります。このように、年号の記された箱をともなって 伝わっている貴重な資料もあります。(柴田夫妻コレクション8-177) :肥前・有田 / 1700~20年代

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染付 山水花卉文 輪花大皿

一風変わった口作りをした大皿。口縁部の三方を稜花形に作り、その間を弧状に切り欠いている。見込には山水楼閣をあらわ し、周囲四方に如意頭状の窓を設け、そこに簡略な花弁文を描いている。背景はびっしりと七宝繋ぎ文を描き、呉須を塗り込めている。外周は二方に蔓草を配し ている。高台内ハリ目跡1個。17世紀中頃の力強い染付作品の優品である。(柴田夫妻コレクション7-130) :肥前・有田 / 1655~60年代

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染付 五弁花紗綾形文 皿

1670~90年代に技術的に完成期を迎えた有田では、画一化された意匠の絵付を省力化して表す方法が考案される。型紙 (かたがみ)摺(すり)、次いでコンニャク印判である。これは両者の方法を併用した作品。(柴田夫妻コレクション8-47) :肥前・有田 / 1680~1710年代

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色絵 捻花唐草文 鉢

腰部がふくらみ、口縁を端反りにした碗形の鉢。外面は八方に金で縁どった染付の捻り文様帯を配し、唐花唐草文そして菊花 文を交互に描いている。見込には染付で草花文を描く。高台内に染付銘「太明年製」。(柴田夫妻コレクション8-409) :肥前・有田 / 1800~60年代

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色絵 桐唐草文 角小皿

初期色絵の作品であり、見込(みこ)みには色絵で桐、周辺には唐草文様が描かれ口縁部には口銹(口紅)を施している。裏 文様は折(お)れ松葉(まつば)が染付で描かれており、高台内には二重枠内に「福」字が書かれている。隅入の型打(かたうち)成形(せいけい)で、高台は 貼付(はりつけ)高台(こうだい)である。桐は高貴な文様とされていることから、菊とともに皇室の文様とされた。また、公家や武将は下賜されることにより 家紋として使われている。(柴田夫妻コレクション7-75) :肥前・有田 / 1650年代

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染付 牡丹文 水注

このような形の手付の水注はヨーロッパ向けに輸出されたワイン注器である。オランダのデルフト窯やドイツ、イタリアの窯 などの製品に同類のワイン注器がある。把手の上方に穴があけられているが、これは金属製(銀や錫(すず)など)の蓋をとりつけるための固定用の穴である。 蓋は親指で押して開閉できる仕組みとなる。有田の長吉谷(ちょうきちだに)窯などからの出土品がある。(柴田夫妻コレクション7-314) :肥前・有田 / 1655~70年代

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染付 牡丹蝶文 蝶形小皿

糸切(いときり)細工(ざいく)によって牡丹の花にとまる蝶を型どった染付の皿である。裏文様は、折枝(おりえだ)牡丹 (ぼたん)文で、高台は高く作り、一種のハート繋(つな)ぎ文を描く。この作品も成形に優れ、絵付けも線描き、点描、濃(だ)みなどが繊細に行なわれてい る。小さいことを感じさせない優品である。(柴田夫妻コレクション7-282) :肥前・有田 / 1660~80年代

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染付銀杏文大皿

鍋島藩窯で製作された染付のいわゆる尺皿。染付の鍋島製品の中でも優品といえよう。天に伸び行く銀杏とそこにたなびく霞 を描いている。葉は濃み塗の濃淡で表現され、その強弱は見込の中でリズムを生み出している。枝や幹と葉が複雑に重なりあう様子が表現されているが、煩雑で はなく巧みに曲線で皿の丸い円の中で調和している。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~30年代

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色絵山水文壺

染付線を用いず色絵のみで山水の文様を描いている。こうした明るい色絵の色調はこの時代の特徴でもある。本来蓋付であっ たものであるが、蓋は失われている。このような蓋付壺はヨーロッパ市場で受け入れられ、王侯貴族によって複数個で宮殿を飾るための調度品として求められ た。 :肥前・有田 / 1660~70年代

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