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白釉藍彩花盆文髭皿

上部に穴が二つあけられ、下部は半円状に口縁部を切っている。この器形はヨーロッパで髭を剃る時に用いられることから髭 皿と呼ばれる。髭皿は有田で輸出用に作られた。この作品は18世紀前半に作られた有田の製品をデルフト陶器で写したもの。口縁部には有田でよく用いられた 粟鶉文や菊唐草文が表されている。むらのある錫釉には貫入がはいり、素地が見えている部分がある。裏には梅の折り枝文が二方に施される。 :オランダ・デルフト窯 / 18世紀前半(1700~40年代)

情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 


色絵金彩鳳凰文瓶

精選された淡黄色の陶胎に金彩を施した薩摩焼は、「白薩摩金襴手(しろさつまきんらんで)」と呼ばれて幕末から明治 (19世紀)にかけて好評を博し、ヨーロッパへも盛んに輸出された。透明釉をかけた素地に、多彩な上絵で鳳凰文を描き、さらに金彩で文様の輪郭線をとり、 豪華な一対の瓶を作りだしている。高台内には桜花印と濃紫の上絵具で「磯焼」の銘が入る。島津藩の庇護を離れて独立した、仙巌窯の意欲あふれる名品であ る。 :薩摩・磯仙巌焼 / 19世紀末

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色絵松竹梅文鮑形皿

型打成形により鮑形にかたどった皿。器壁は厚手である。見込中央の扇面は画面左端が切れた状態に表し、なかに松竹梅を描 いている。その扇面と重なり、一部が見えるかのように牡丹を表す。鮑形のへりに沿って赤地の桜花流水文があしらわれ、扇形と鮑形をひとつのまとまりに締め ている。裏面は葵の葉を配した唐草文で埋めている。高台内には二重圏線をめぐらし、中央にいわゆる渦福銘を入れる。ハリ目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1690~1730年代

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色絵牡丹文壺

撫肩で、丸みの強い蓋付壺。器面を赤線で区画し、胴部におおぶりの牡丹を描いている。牡丹は正面、横向き、蕾などで表現 されている。線描きの黒線は、色絵具がのっていない部分の多くが失われているため破線となる。上絵の赤もかなり色落ちしているが、緑・黄・青色はよく残っ ている。腰から下の部分には全体的に細かい貫入が入る。補修はあるものの、蓋が残存している。輸出初期の色絵壺として貴重な資料である。 :肥前・有田 / 1655~70年代

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染付柘榴花鳥文大瓶:L:G.

輸出向けの大瓶であり、ガリポットと呼ぶ薬瓶といわれてきた。口部に凸帯をもち、胴部が球形を呈するこの器形はヨーロッ パのガラス瓶にもみられる。胴部に丸窓を設け、なかに「L:G.」とアルファベットの銘を入れるが、意味は不明。この型式の瓶にはこのようにアルファベッ トを伴うものがみられる。丸窓のまわりは牡丹、柘榴に鳥を配した文様を描く。頸部には花文と草文を交互に描いている。高台内に目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1670~1700年代

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染付草花文大皿

内面は窓絵を配置しているが、その数は9個と変則的である。窓には梅・松・牡丹・朝顔などの草花文を描き、窓と窓の間は 四方襷文・亀甲文・青海波文・七宝繋文などで地文とする。この内側に唐草文、さらに二重圏線内に水辺の草花を描いている。裏面には一本線の茎を繋いだ牡丹 唐草文を描く。高台内は圏線がめぐり、二重方形枠内に篆書による「福」字銘を書いている。また、ハリ目跡が7ヶ所に残る。 :肥前・有田 / 1650~60年代

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藁灰飴釉掛分舟形手付皿

雅趣のある小代焼は、茶席で愛好された。轆轤成形後、皿の両辺を切り落とし、舟形に仕立て、紐状の粘土で手をつけた菓子 器である。高台には、1ヶ所刻みをいれて切高台とし、高台内は篦で渦状文を施す。織部風の意匠から「掛け分け」としたが、実際は鉄漿をかけ、一部に薄く土 灰釉を施し、半分に白色の美しい藁灰釉を流したものである。見込と高台畳付に赤貝のような貝目痕が残る。 :肥後・小代窯 / 17世紀

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銹釉花唐草文瓢形瓶

胴部に文様を彫り込んだ瓶である。胴部全体に銹釉を施し、その上から花唐草文を線彫りにしている。さらに花の中心部分に 瑠璃釉を施し、典雅な趣が伝わる。胴部下位に2条の沈線を線彫りでめぐらせ、その下に蓮弁文を連続して線彫りで表す。高台内にも銹釉が施されているが、高 台畳付は幅狭く削り露胎としている。銹釉の製品は有田町山小屋窯跡、長吉谷窯跡、下白川窯跡などから出土している。 :肥前・有田 / 1660~1700年代

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染付銹釉茄子文皿

画面いっぱいに茄子文を配す。茄子文の背景には銹釉が施されている。茄子の蔕(へた)は粗い筆触(ひっしょく)で描か れ、花菱文は形が不揃いであり、文様の描き方あるいは裏文様の粗い筆使い、その輪郭線からはみ出した濃みなど、鍋島の初期的な要素がみられる。裏文様は全 面に五つの唐花を配し、間を唐草で繋ぐ。高台には四方襷状の文様をめぐらす。器形は浅く平たい。 :肥前・鍋島藩窯 / 1660~80年代

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鉄絵草文碗

胴は直線的に広がり、高台は高く、断面台形状に削り出されている。外面の二方に鉄絵で唐草文を表し、内外底を除き透明釉 を施す。見込と外底を無釉とし、直接重ねて焼く方法や、器形等は、同じ頃沖縄にたくさん輸入されていた中国の福建・広東地方で焼かれた粗製の染付碗の影響 を受けたものであろう。琉球では18世紀になると肥前磁器よりも中国磁器とともに琉球産陶器の比重が高くなり、生産も盛んとなる。 :琉球・湧田窯 / 17世紀後半~18世紀前半

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染付芙蓉手花鳥文大皿

芙蓉手の皿類は有田で様々なものが作られたが、この作品は中国明末の景徳鎮窯の本歌と共通点を残し、有田の芙蓉手のなか では比較的初期の作品と考えられる。広い鍔状の縁をもち、口唇部は菱花形に刻む。見込中央に岩に花鳥を描き、周縁部は区切って窓を設け、花文と八宝文を交 互に配す。裏面も六方に区画され、簡略化した文様を描く。高台内には染付の「福」字銘が記され、ハリ目跡が2個残る。見込には焼成時の降灰が多い。 :肥前・有田 / 1655~70年代

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染付唐獅子牡丹文菱形皿

岩牡丹と2匹の獅子が描かれている。形は土型を用いた糸切り細工(タタラ成形)による。高台は、菱形の付け高台である。 染付の文様は、輪郭線が丁寧に描かれ、また濃みの調子も巧みである。口部は直立し、幅広の口縁部に銹釉が塗られている。口部外側に花繋文、高台外側に雷文 が描かれている。高台内には、「福」字の染付銘と2個の染付銘と2個のハリ支え跡がある。 :肥前・有田 南川原山 / 1660~70年代

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色絵巴紋碗

1682年に統合されたという壺屋窯(那覇市)では、18世紀になると磁器風の陶器を作るために有色素地の上に白い化粧 土を施す。この碗はその上に透明釉をかけて白色陶器を作り、それに赤・緑絵具で三方に巴文を描く。碗形、文様、色の使い方などすべてに中国・福建地方の磁 器の影響が強くみられる。見込は蛇ノ目状に釉剥ぎし、高台にアルミナ砂を塗って直接重ね積み焼成している。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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灰釉飛鉋褐釉流筒花生

胴部の中ほどに帯状に露胎部を残し、その上下には灰釉をかける。露胎部は飛鉋技法で刻み、その上に黒褐色の鉄釉を流し掛 けして強いアクセントとなる。外方に折曲げた口縁部端は篦で押して波状に作る。高台内には雑に灰釉がかけられ露胎部もあるが、焼成時に敷いたモミガラ様の 熔着が釉の部分にみられる。 :琉球・壺屋窯 / 18世紀後半

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緑釉嘉瓶

瓢形から変形したとみられる独特の器形である。白化粧土を塗った上に銅による緑釉をたっぷりと高台脇までかける。釉の厚 さにはムラが多く、口部と底部付近には藍色に窯変した部分もある。高台内には褐色の鉄釉を塗っている。同様の器形の瓶で鉄釉の例もある。高台畳付の一部に は焼成時に下に敷かれた荒い砂が熔着している。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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緑釉掛分象嵌線文対瓶

鶴首形の瓶の胴部に白土象嵌で縦線文を表し、高台畳付付近を除き、透明釉をかける。この象嵌技法は19世紀になるとさか んになるようだが、薩摩焼の影響と思われる。上半部に施した銅緑釉は海鼠(なまこ)色に発色し、片面に厚く胴部に流れている。対瓶とは祭祀に用いられる左 右一対の瓶の意であろう。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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鉄釉掛分輪繋文渡名喜瓶

独特の器形は肥前などで早くに作られた茶筅形から変化したものと思われる。くびれた胴部を刻んで紐で締めた様を表し、そ れを境に上は透明釉、下は鉄釉で掛け分ける。その境には釉を掛け残した露胎部がみられる。上のふくらみには釉下に白化粧土で輪繋文を描く。腰部以下の鉄釉 は焼成火度が低かったためか縮れを生じており、薩摩焼にみられる蛇蝎釉状を呈す。高台畳付は無釉である。渡名喜瓶は祭祀用の酒瓶として用いられるという。 :琉球・壺屋窯 / 18世紀後半~19世紀前半

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色絵婦人像(柿右衛門様式)

頭部は全体の比率からして大きく、反対に手は小さく華奢である。こうしたプロポーションの強調により、人形としての特質 と女性的な優美さが醸し出されている。成形は型により各部分はわけて作るが、体側部以外は丁寧な仕上げのため継ぎ目は見い出しがたい。底は平たく無釉であ り、わずかに布目が残る。左肩後面に直径8mmの空気穴がある。口は内部まで彫り開けられており、唇は上絵具で赤く色どられている。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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色絵花鳥文輪花皿(柿右衛門様式)

口縁部がゆるやかに外反りし、大輪の花が開いたような形態である。八つの区画をもち、4種の文様が対面して配されてい る。文様の種類は梅・桔梗・牡丹・菊である。素地は白く、釉が薄くかけられており、その柔らかな白さはいわゆる濁手の素地といえる。ヨーロッパからの里帰 り品で、見込の釉面や牡丹文に引っ掻き傷があり、食器としてかなり使用されたと思われる。裏面は無文であり、高台内に小さなハリ支え跡が3個みられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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青磁陰刻芭蕉文三足付皿

口縁部を輪花に直立させ、内面には篦彫りで芭蕉文を表す。篦彫りに加えて線彫りが施され、彫刻に変化をつけている。三股 青磁は透明感のある明るい淡緑青色の釉調であり、この調文をひきたてている。器面の下方に筒形の小猪口と、透明釉をかけた型押し成形の梅花文が熔着されて いる。裏面には、獣面の三足がつくが、高台は削り出しの小さな輪高台である。 :肥前・波佐見窯 三股山 / 1630~40年代

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黒釉龍文甕

「あまざけはんずー」と親しまれる甘酒貯蔵用の甕。薩摩の民陶雑器を総称して「黒もの」といい、一般に素朴な黒釉をか け、装飾も簡素な作りが多い。型で抜いた粘土を器の表面に貼り付ける貼花文で、甕を一めぐりする龍を表し、ほかは粘土紐を貼り付け、竹管や指で押して装飾 する。欧米でマルタバン・ウェアと呼ばれる東南アジアの陶器甕に、こうした龍の貼り付け文の装飾がみられる。底部は無釉で貝目痕が残る。 :薩摩・苗代川窯 / 17世紀後半~18世紀

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色絵紋章文皿

見込中央に染付と上絵付の赤・金でヨーロッパの紋章を描き込んでいる。この紋章はオランダのブーレン家の娘イダ・マリア とブレデローデ家の息子ジョアンとの結婚(1702年)によって生じた紋章であるといわれ、アムステルダム国立博物館にも同類品が収蔵されている。染付の 発色はにじみがあるが、上絵付は繊細でいかにも注文品らしい入念さで描かれている。裏面は無文で高台内にハリ目跡が3個残っている。 :肥前・有田 / 1700~30年代

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色絵唐獅子像(柿右衛門様式)

右は阿形、左は吽形で対をなす。ヨーロッパからの里帰り品で、金具はヨーロッパでつけられたもの。施釉部の素地は白く見 えるが、無釉部には黒い微粒子がかなりみられる。数個の型を用いて各部分が成形され、生乾きの時に接合される。絵付けはすべて上絵付である。顔や腹は黒の 輪郭線なしで青と黄で広い面が塗りつぶされている。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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色絵赤玉雲龍文鉢

いわゆる献上手と称されるこのような鉢は、厚手に作られ、入念な上絵付が施されている。染付素地に赤・金などを加えた金 襴手様式の典型的な作品の一つ。見込に雲龍文を描き、周囲に規則的に赤玉と龍・宝珠の入った丸輪を配し、間を格子状の地文で埋める。外側は四方に窓を設 け、鳳凰と草花文を表し、窓と窓の間は赤地に唐花唐草文を描いている。高台内には二重圏線内に「大明萬暦年製」の銘を入れる。 :肥前・有田 / 1700~30年代

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色絵鶺鴒文皿

鍋島において黒を用いた作品はきわめて少なく、この鶺鴒文以外ではほとんど作例がない。鍋島では染付の藍色に上絵の赤・ 緑・黄の4色を基本とし、これらの彩料であらゆる文様が表現されてきた。対象の色が黒であっても鍋島の作品としては、染付の藍色で表現されるのが通例であ り、この鶺鴒も本来なら主体は染付で表現し、部分的に緑・黄や赤を用いたであろう。裏文様は三方に四つ玉の七宝結び文、高台に櫛目文が描かれている。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代

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染付唐人文柑子口瓶

このような口部に近い部分が丸くふくらんでいる瓶の原形は中国磁器にあり、日本では柑子口瓶と呼ばれる。胴部画面の区切 りに独特の雲文を用いる点など明末の中国・景徳鎮窯の影響がみられる。やや粗い筆致で布もしくは髪のようなものを手にしている唐人が描かれ、唐人の背後に は長い柄の旗と翳(さしば)が掲げられている。細長い頸の部分には花文・蝶文が配され、柑子口のふくらんだ部分に蓮弁文がめぐらされている。 :肥前・有田 / 1660~70年代

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染付山水文輪花大皿

体部は内外面に鎬を持つ特殊な形態である。このような特徴を持つ陶片が、有田町山辺田窯跡から出土している。口縁部内面 と見込周縁部に唐草文の文様帯を持つ。見込は、中央に柳のような樹木、その傍らに垣根のある家屋を描き、これらの両側に岩山を配置している。遠景には鳥の 列と月を描いている。外面にも牡丹唐草文の文様帯を持つ。高台を挟むように二重圏線、高台内中央にも圏線があり、ハリ目跡が2ヶ所に残っている。(今泉吉 郎氏寄贈)(重要文化財) :肥前・有田 / 1640~50年代

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染付人物山水文大皿

口縁部は外側に折られうえ内湾させている。口縁部内面は如意頭状の文様、その内側には唐草文を描いている。見込は、二重 圏線内に深山を描き、これを見上げるように瓢箪を担いだ修行僧らしき人物が松の木の傍に描かれている。瓢箪を担ぐ人物図は、中国の絵手本などに見られる。 外面は草花文を描き、高台内には圏線がめぐり、二重方形枠内に「福」字銘が書かれている。 :肥前・有田 / 1650~70年代

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染付梅樹文大壺

鍋島は木盃形の皿や向付などの食器類が圧倒的に多い。壺類は少なく、伝世品としてはこのタイプの大型壺が知られている。 しかしそれ以下の小さい壺が見当たらない。古窯跡の出土資料においても壺類の陶片は少なく、とくに小さい壺はみられない。この壺は文様の線描きと濃みの調 子、皿と共通する文様などから鍋島藩窯の製品と判断される。口縁は無釉であり、共蓋があったと考えられる。底面はアーチ状に窪み、布目が残る。 :肥前・鍋島藩窯 / 1720~40年代

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染付山水文大皿

口縁部を鍔縁に成形し、上面には2本の圏線の間に点綴りの唐草文、内側面は波涛状の文様を描いている。見込には土坡を数 段重ね、そこに岩・東屋・草木を描き、遠景には帆掛舟、山の端の向うには満月を描く。見込の絵は染付の濃淡を利用して粗放に描いている。外面は口縁下に染 付の線がめぐり、高台畳付を除く全面に施釉されている。皿の内側にみられる文様は、有田町山辺田窯跡出土の陶片に類例がみられる。 :肥前・有田 山辺田窯 / 1630~40年代

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色絵陽刻牡丹文手付水注

薄紫・緑・赤・黄を用いて器面を塗っている。発色が沈んでおり濃厚な印象を与える。型押し成形により、文様は陽刻によっ て表され、さらに色絵で加筆されているが、型による線と一致していない部分もある。蓋を伴った伝世例が出光美術館に所蔵されている。この作品も把手側の口 部に小穴があり、本来蓋を伴ったものと考えられる。素地は人形など型押し成形のものに特有のもので、白いが黒い微粒子が多い素地である。高台は貼り付けて いる。 :肥前・有田 / 1660~90年代

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染付高蒔絵牡丹唐獅子文大壺・広口大瓶

器面のほとんどを高蒔絵で装飾している。高蒔絵による装飾部分の地は無釉である。器高は総高87.4cmと大きく、作 品全体からは装飾性あふれる豪華な印象を受ける。蓋および如意頭形にとった肩および腰部の区画内は、牡丹・菊・花の3種類を配した染付の唐草文で埋めてい る。また高台脇はハート繋文がめぐらされている。つまみの獅子は木製であり、製作当初からあったものかは不明。 :肥前・有田 / 1700~40年代

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染付蘭撫子文輪花皿

木盃形の皿が多い鍋島の中では珍しい器形である。ロクロで丸い皿を作り、生乾きの時に型に合わせて変形させる型打ちの技 法による。見込の平坦部がやや厚いため、見た目よりも重い。口縁部が外反し、輪花になっている点に特徴がある。元禄(1688~1704)期に現われる伊 万里の器形の影響と考えられる。裏面には三方に折枝文が描かれ、高台には櫛目文を施す。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~30年代

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染付迦陵頻伽文筆管

筆管すなわち筆の軸を磁器で作るのは、17世紀中葉頃からまれにみられる。迦陵頻伽とは、美女の顔をした鳥で極楽浄土に いるといわれる。この文様が筆の軸に描かれている。線描きは細く丁寧であり、また長い尾羽の間には薄い影のようなぼかし濃みが施されている。類似の陶片が 柿右衛門窯跡から出土している。筆の右端面だけが無釉であることから、窯内では立てて焼成したと考えられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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染付馬文菱形水指

菱形につくり長辺の隅を落とした水指は、磁器の板造りで、団扇形窓絵には表に2頭、裏に1頭の俊馬を染付で描く。日本の 茶人が愛した中国製の「古染付菱馬水指」を手本に焼かれたもの。本来は共蓋だが、失われてない。底部は平底で無釉、中央に染付銘「須ゑ(恵)」が入る。青 味を帯びた透明釉の美しさは、黒田藩御用の優品を生んだ須恵焼の端正で格調高い魅力を伝えている。 :筑前・須恵窯 / 18世紀後半~19世紀初

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色絵蓮池鷺文皿(呉須赤絵)

16世紀に青磁にかわって染付が磁器の主流になると、福建南部でも染付生産がさかんになる。そのなかにわが国で呉須手と 呼ぶ独特の磁器があり、色絵を施したものを呉須赤絵という。これらは輸出港・仙頭(スワトウ)に因んで欧米ではスワトウ・ウェアと呼ばれる。最近、その中 心的窯が福建省しょう州で発見された。江西省景徳鎮窯の色絵磁器と異なり、材料の欠点を化粧掛けで補い、粗放な作行である。赤が強調された豪放な絵付は肥 前色絵に影響を与えた。 :中国・ショウ州窯系 / 1590~1630年代

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染付柳鷺文台付大皿

口縁上面には染付の圏線がめぐり、端部は短く折り曲げられる。口縁部内外面は、2ヶ所に雷文を描き濃みを施している。見 込には、雪の積もった柳に鷺が2羽描かれる。台には日足文が透彫されるが、2ヶ所は八日足、1ヶ所は七日足になっている。この透彫と透彫の間に染付で如意 雲文を描き、台下部にも染付で雷文が描かれている。高台畳付は露胎であり、器表や台の内側には貫入がみられる。鉢と台を別々に作り、接合している。 :肥前・有田 / 1650~70年代

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色絵花鳥文六角壺

6面に鳳凰文と花卉(かき)文が交互に描かれている。蓋と肩部には三方に窓が設けられ、鳳凰が描かれている。成形は板作 りの技法により、6面の粘土板が接合されている。この作品と同様のものが、ドイツのマイセン窯やイギリスのチェルシー窯で18世紀に倣製されている。金具 はヨーロッパでつけられており、蓋の金具のほか、六足の金属台がある。類品がイギリスのメリー女王のコレクションとして知られるハンプトンコート宮殿所蔵 品にある。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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色絵巻軸文皿

巻軸を8本放射状に並べ、間に菱花文を描く。色使いは染付による藍色と、上絵の赤・黄・緑からなる。巻軸が染付で太く描 かれているためそれで画面が区画されている。また軸の紐と菱花があざやかな赤で描かれ、リズミカルな装飾効果を出している。見込を白く抜く構図は鍋島の中 では比較的多い。形は典型的な木盃形である。裏面には六つ玉の七宝文を三方に配し、高台には櫛目文がある。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代

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色絵椿文皿

椿を画面いっぱいに描くが、文様が画面からはみ出す描法は鍋島ではよく用いられる。これにより文様が大きくのびやかにみ える。椿の幹は染付のみで表現され、葉は染付と上絵の黄と緑、花は上絵の赤で描かれている。椿の花は白と赤の2種が描かれており、白は線書きだけで表され ている。裏面には三方に六つ玉の七宝文、高台に櫛目文がある。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代

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色絵龍虎文輪花皿(柿右衛門様式)

竹に巻きついた龍と地に踊る虎が向い合う構図。中心には柿右衛門様式によくみられる梅の文様が描かれている。龍と虎は赤 と金の彩色であり、柿右衛門様式の中では特異な色使いである。皿の形は十稜の輪花で、乳白色の上質な素地である。口部には銹釉が施されている。裏面に文様 はなく、高台内に小さなハリ支え跡が5個みられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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染付芭蕉草花文柑子口大瓶

頸部から胴部に捩った縦筋が篦彫りにより施されているが、頸部の縦筋は描かれている矢羽根文様と一致している。頸部が切 られ、金属による細工が施された同類品がトルコのトプカプ宮殿に所蔵されている。胴部に大きく芭蕉を3本描き、その前に大きく穴のあいた太湖石を表す。周 囲はさまざまな花卉文で埋めている。釉は青みを帯びており、胴部から腰部にかけて貫入がはいる。容量は約6リットル。 :肥前・有田 / 1660~70年代

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色絵薄瑠璃唐花文菱形皿

薄瑠璃を掛け残した窓に唐花唐草文を描く。赤い色で輪郭線を描くのは、初期のものに多いが、この作品も赤で文様を縁取 り、内側に黄色と緑色の絵具を施す。成形は糸切り細工で、高台は菱形の貼り付け高台である。裏面四方に唐花唐草文、高台に蓮弁文が染付で描かれている。さ らに表の薄瑠璃が裏面に流れている。 :肥前・鍋島藩窯 / 1660~80年代

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染付鉄釉秋草文茶碗

胴部に染付で秋草を描いた茶碗。器面の三分の二に透明釉、残りに飴色の鉄釉を掛け分けている。胴部には染付線で区画した 面を設け、そこに染付で秋の風情を思わせる草花を描いている。鉄釉の飴色に染付の青が映えてみえるが、全体としては落ち着いた雰囲気を醸し出している。胴 部は軽く押さえられ、沓型に近い形態をなしている。高台畳付を除く全面に施釉されている。 :肥前・有田 / 1630~40年代

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染付銹釉飛鉋文瓢形瓶

瓢形瓶の下半分を茶筅形に作っている。胴上部2ヶ所、胴上部と胴下部の繋ぎ目および肩部を残して銹釉を施し、その後、口 縁部外面に呉須による濃みを施し、最後に器面全体に透明釉が施されている。胴上部と胴下部の繋ぎ目には沈線が2条入り、また銹釉を施した跡に飛鉋による列 点を入れており、17世紀中葉の類例は少ない。高台部外側面には手跡を残し、高台畳付の断面は丸く、露胎である。施釉・器形ともに変化に富んでいる。 :肥前・有田 / 1630~50年代

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銹釉染付梅樹文皿

有田では1630年代頃から青磁や鉄釉の地に抜いて、そこに染付で文様を表す磁器を少なからず生み出した。当初は釉を掻 き落として表現する方法もみられたが、のちにはマスキングして抜く方法が行われる。この皿も呉須で梅の枝・花・蕾を描き、梅花部分をマスキングして銹釉を かけ、その部分だけ透明釉を施す。銹釉の下の呉須は黒く発色し、透明釉の下の呉須だけが青くなる。口唇部に瑠璃釉を施す。 :肥前・有田 / 1650~70年代

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染付三階松文皿

松葉文を三層にしたいわゆる三階松の意匠を皿の形にしたもの。成形は粘土の板を型にあわせ、高台を貼り付ける糸切り細工 による。器面は松葉の輪郭線にそって凹凸がつけられている。また松の枝は余白の部分が透しになっている。松葉は緻密に細く線書きされ、その上から全体に濃 みが施されている。裏面は三方に唐花唐草文が配され、高台には櫛目文が描かれる。 :肥前・鍋島藩窯 / 1690~1730年代

情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 


染付蓮文三足付香炉

天保13年(1842)の紀年銘をもつ。背面には「為當眼院菩提施入之」と記され、その右側に「崎陽於亀山製」、左側に 「天保十三壬寅歳八月八日 施主青木貞幹」と書かれている。「崎陽」とは長崎のことである。蓮文の線書きは丁寧であり、濃みの表現も豊かである。底部は丸 く仕上げられ、三足がつけられている。 :長崎・亀山窯 / 天保十三年(1842)

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色絵草花文菊花形皿

古伊万里(金襴手)様式の皿を写したもの。染付の発色は暗く、にじみがみられる。十六弁の菊花形であり、対角の花弁に同 じ文様を配している。色絵の発色は本歌とは微妙に異なり、一部には本歌にはみられないようなピンク色などが使われている。金彩は厚く、線は盛り上がり、金 属的な光沢が強い。高台内には「大明嘉靖年製」銘が二行で記されているが、明嘉靖の3文字には誤りがみられる。 :イギリス・ウースター窯 / 18世紀後半

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染付松竹果木文瓶

一面に湾曲した根元を持つ松の木とその根元から伸びた竹、他面には実をつけた南天と思われる果木を描いている。いずれも 呉須の発色が鮮明な藍色を呈し、白い器表に映えている。口縁内部から胴上部にかけて貫入がみられる。最大径が胴裾部にあり、朝鮮王朝時代の瓶によくみられ る形態である。高台畳付は内傾する平坦面で、露胎である。 :肥前・有田 / 1620~40年代

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