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色絵松竹梅文輪花鉢(柿右衛門様式)

程よい大きさで手持ちがよく、鑑賞的にも使用性においても優れた器である。口縁部は八つの稜花形に作り、口唇部に銹釉を 施す。成形は型打ちの技法による。高台はやや高めで、高台内にはハリ支えの跡はない。素地はうすく、釉は透明度が高い。鉢の外面は梅と松、反対側には竹文 が描かれている。内面には瓔珞(ようらく)かと思われる文様が配され、見込中央には五弁花が一つ描かれている。 :肥前・有田 南川原山 / 1680~1700年代

情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 


色絵吉祥文輪花皿(柿右衛門様式)

十稜の輪花皿。口縁には銹釉が施され、稜線が強調されている。中央に団龍を描き、周囲に松竹・鶴・亀・草花の文様を施 す。赤と金で描かれた亀文は、全体の文様の中でも強い印象を与える。裏面は無文だが、高台内に4個のハリ支え跡がある。成形は「型打ち」の技法により、轆 轤で水挽きしたあと凸状の土型にかぶせて変形させる。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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染付菊唐花文皿

鍋島の染付の濃度は、通常三段階に分けられる。一番濃いのは線書きであり、二番目は枝や葉の濃み(面塗り)であり、三番 目は花などのうすい濃みである。三通りの濃淡以外では、広い面においてぼかしの技法が用いられる。この作品は以上の4種類の濃淡と、墨弾きによる白抜き描 線が組み合わされている。皿の形状は端反りで口縁に浅い溝がある。裏面は三方に木蓮の折枝文を配し、高台には櫛目文が描かれている。 :肥前・鍋島藩窯 / 1690~1730年代

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染付銀杏唐花文皿

幾何学的な唐花や有職文による複雑で厳格な文様は、格調高い鍋島ならではのものである。規矩正しく三方割に文様が配さ れ、中央を白い環で引き締めている。環の中心と周辺の三方には、墨弾きにより白抜き文が描かれている。藍色一色により複雑で構成的な表現の粋が尽くされて いる。裏面三方に六つ玉の七宝文を描き、高台には櫛目文をめぐらす。(鹿島鍋島家コレクション) :肥前・鍋島藩窯 / 1700~30年代

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染付鷺文三脚付皿

染付による単色であるが、鷺を白く塗り残すことによって、白をもう一つの色として演出している。裏面は幅の広い蛇の目高 台であり、高台縁には如意頭形の三足がつく。三足の畳付は施釉してあるため、浮かせて焼いている。蛇の目の部分は無釉であり、浮かせるために用いた窯道具 の小さな熔着痕が外側に20個、内側には等間隔ではない熔着痕が14個残っている。裏面三方に木蓮かと思われる折枝文を描く。(重要文化財) :肥前・鍋島藩窯 / 1690~1710年代

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色絵菊牡丹文角瓶

板状の粘土を貼り合わせて成形しており、肩の部分はふくらみがある。底は無釉で平たく、淡褐色を呈している。各面は長方 形にみえるが、上端は下端よりそれぞれ8mm長く、逆台形状である。4面とも正確に差をつけてあるため、意図的な造作と考えられるが、背を高くみせるため の意図であろうか。各面には菊・牡丹・紅葉・萩の文様が描かれている。黒の輪郭線はかなり消えており、もとは鮮明で強い調子であったと想像される。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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鉄絵鳥文向付(絵唐津)

向付とは、食膳で向かい側に置き据える器の意。口縁部は波状を呈し、口縁内部に飛鳥を3羽と垣根状の文様を2ヶ所に描い ている。胴部は丸く膨らみ、鉄絵具で4ヶ所に四つ星(五つ星)の文様を描いている。高台部分を除く器表に半透明の釉薬が施されている。高台は低く、高台内 は粗く箆削りされ、高台畳付に糸切り痕を持つものが2点ある。枯淡の味わいのある5客組の向付である。 :肥前 / 1590~1610年代

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象嵌双鶴文瓶(三島手)

胴上部は、2条の沈線で3区画を設け、3種類の花文を押印し、そこに白土を充填している。胴下部も同様に唐草文・よろけ 縞文・如意頭文が印花される。これらの文様帯の間に2ヶ所、向かい合うように鶴が2羽ずつ配置され、白土により象嵌される。鶴の嘴と足は鉄絵具によって描 かれる。高台畳付を除く全体に透明釉が施され、器表には貫入がみられる。類例が有田町天神森窯跡から出土している。象嵌は朝鮮陶工がもたらした技法であ る。 :肥前・小田志山 / 1610~40年代

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三彩胴締水指

筒形に作り、銅の中央部を帯状に引き締めた水指には、上部左右に小振りな耳をつける。轆轤目を残した表は白濁した藁灰釉 をかけ、その上に褐釉と銅緑釉を柄杓(ひしゃく)で掛け流すが、火表は鮮明な三彩、火裏は枯れた地肌に火ぶくれがみられる。器内には薄い土灰釉(透明釉) がかかる。無釉の底部は碁笥底(ごけぞこ)のように内側を浅く削り、下膨れの水指に安定感をうみだす。蓋受けを作る後部は無釉であり、白土が塗られ、目痕 が13個程みられる。 :豊前・上野窯 上野皿山本窯 / 17世紀中葉~18世紀初

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色絵傘婦人文皿

オランダはコルネリス・プロンクによる1734年の傘婦人図皿の原画にもとずき中国と有田に注文するが、この皿は中国の もので原画のインド風の婦人のかわりに中国の婦人を描き込む。内面には部分的に染付を施した素地に赤・薄赤・金で婦人のほか鳥や草花を表し、口縁部の地紋 は亀甲つなぎ文を描く。外側面は染付で七方に昆虫を配し、底部を碁笥底状に作る。 :中国・景徳鎮窯 / 1730~40年代

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染付傘婦人文皿

色絵傘婦人文皿(収蔵番号311)の皿が色絵であるのに対し、これは染付で描かれている。色絵の方が原画に忠実であり、 この作品は花文の文様帯と草むらに簡略化がみられる。また、染付では表現しきれなかったのか、婦人の着物の柄はなく、無地である。器形は少し厚めであり、 この点は色絵の作と共通している。色絵と同様に、裏面には七方に虫文が配されている。高台内にハリ目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1730~40年代

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色絵傘婦人文皿

アムステルダムの画家コルネリス・プロンク(Cornelis Pronk 1691-1759)はオランダの東インド 会社と契約し、中国に注文するための磁器デザインを手掛けた。この皿は彼のデザインの一つ、1734年の「パラソルレディー」をもとに制作されたもの。デ ザインの原画がアムステルダム国立博物館に所蔵されている。原画では見込の婦人像が中国人であるのに対し、有田の製品にはよくみられる日本婦人が描かれて いる。高台内にハリ目跡が3個残る。 :肥前・有田 / 1730~40年代

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色絵瓢箪鯰童子置物

童子が瓢箪で鯰を押さえつけようとしている姿は、「瓢箪鯰」の話からとられた題材と考えられ、要領を得ないとりとめのな いという喩(たとえ)を意味する。各部分は型を用いて別々に成形され、それらを結合して一体化されている。鯰の底は中空で、体内に補強用の壁が3枚つけら れている。全体に本焼きの焼成が甘く、釉に細かな貫入がはいり、その部分は薄茶色にみえている。 :肥前・有田 / 1670~1700年代

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染付鶏花蝶文水注

ハッチャー・ジャンクと呼ばれる南シナ海発見の沈没船から引揚げられた多数の中国磁器の中に類似の器形・文様が見出せ る。この引揚品の中に崇禎16年(1643)と推測できる紀年銘磁器があり、崇禎頃の輸出磁器とみられる。17世紀後半に有田が輸出用手付水注を作るが、 その際に、こうした中国磁器を手本とした。主文はバラに蝶・寿石・竹・菊・鶏・粟を胴部に描き、頸部に梅・蘭・椿・竹の折枝を染付している。 :中国・景徳鎮窯 / 1640年代頃

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色絵龍鳳文輪花皿

厚手でしっかりとした作りの皿で、龍と鳳凰、牡丹、散らした丸文が濃厚な色彩で描かれ、絵具の色調から、幕末期の製品と 考えられている。高台畳付に四角い凹みをつくり、その中に染付の「酒柿(さかがき)」という銘が入れられているが、酒井田邸の表採品や、酒井田家が参加し ていたと考えられる南川原窯ノ辻窯から同じ銘をもつ同種の皿の高台部分が出土している。このような「酒柿」銘をもつ製品は、ほかに染付の角皿などが知られ ている。(公文信男氏寄贈) :肥前・有田 南川原山 / 1810~60年代

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白地象嵌花文瓶

陶土に白い精土を用いるか、もしくは陶胎の全面を白化粧でおおい磁器を模したやきもの「白薩摩」は、薩摩領内各地の陶器 窯で作られた。竪野窯のこの徳利は、素地自体が白く、スタンプ印刻文と掻き落しの線刻文を施したあと、彫り痕に黒色の粘土をすり込み表面をぬぐう象嵌技法 が効果的である。薄い透明釉をかけて焼かれた器表面はなめらかである。 :薩摩・竪野窯 / 17世紀後半~18世紀

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色絵桜樹文皿

桜花はすべての線書きで表現され、線書きのみの赤が軽快さを生み、花の数が艶やかさを醸し出している。画面に桜樹をめぐ らすこの構図は、鍋島の図案帳に同種のものがある。樹根の表現にも特徴があり、この種の表現は梅樹の場合も用いられている。裏は三方に七宝結び文を配し、 高台には櫛目文を描く。七宝文は、六つ玉からなり、中心部の四つは重なりあうタイプである。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代

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白釉藍彩唐人文柑子口瓶

17世紀のヨーロッパでは磁器が生産できなかったことから、錫釉による白い陶器で東洋からの磁器を模倣した。この作は中 国・景徳鎮窯の染付柑子口瓶を写したと考えられる。デルフト陶器に特有の水色に発色する釉薬に青料で山水と唐人を描く。青料は細かい水玉状に白く弾かれた ように発色しており、これもデルフト陶器によくみられる特徴である。高台内に「ニ」としるされているが、おそらく窯の印であろう。 :オランダ・デルフト窯 / 17世紀後半(1660~70年代)

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色絵ケンタウロス文皿

ギリシア神話に登場する半人半馬の怪物ケンタウロスを描いている。ヨーロッパからの注文品として作られたものであろう。 赤による線描きが細く、丁寧な絵付である。皿の内側面には獅子・虎・猪・馬・首輪をつけた洋犬などの獣類が描かれ、唐花唐草文の中に見え隠れするかのよう な描き方がされている。裏面には四方に上絵付の赤・金で菊・牡丹の折枝文が描かれ、高台内は一重圏線がめぐらされ、ハリ目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1700~30年代

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色絵花鳥文皿

余白を生かした緊張感のある構図である。線書きは、梅の花と鳥の胴部を除けば、すべて上絵の黒による。その黒い輪郭線の 内側に緑と青と黄色をのせてゆくが、梅の幹は青で梢は緑というように、細やかな配慮がなされている。また花弁の一部に金彩が用いられ、赤い花とのバランス を保ちながら、華やかさを加えている。裏面は無文であり、高台内には6個のハリ支え跡がある。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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白釉藍彩花盆文髭皿

上部に穴が二つあけられ、下部は半円状に口縁部を切っている。この器形はヨーロッパで髭を剃る時に用いられることから髭 皿と呼ばれる。髭皿は有田で輸出用に作られた。この作品は18世紀前半に作られた有田の製品をデルフト陶器で写したもの。口縁部には有田でよく用いられた 粟鶉文や菊唐草文が表されている。むらのある錫釉には貫入がはいり、素地が見えている部分がある。裏には梅の折り枝文が二方に施される。 :オランダ・デルフト窯 / 18世紀前半(1700~40年代)

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色絵金彩鳳凰文瓶

精選された淡黄色の陶胎に金彩を施した薩摩焼は、「白薩摩金襴手(しろさつまきんらんで)」と呼ばれて幕末から明治 (19世紀)にかけて好評を博し、ヨーロッパへも盛んに輸出された。透明釉をかけた素地に、多彩な上絵で鳳凰文を描き、さらに金彩で文様の輪郭線をとり、 豪華な一対の瓶を作りだしている。高台内には桜花印と濃紫の上絵具で「磯焼」の銘が入る。島津藩の庇護を離れて独立した、仙巌窯の意欲あふれる名品であ る。 :薩摩・磯仙巌焼 / 19世紀末

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色絵松竹梅文鮑形皿

型打成形により鮑形にかたどった皿。器壁は厚手である。見込中央の扇面は画面左端が切れた状態に表し、なかに松竹梅を描 いている。その扇面と重なり、一部が見えるかのように牡丹を表す。鮑形のへりに沿って赤地の桜花流水文があしらわれ、扇形と鮑形をひとつのまとまりに締め ている。裏面は葵の葉を配した唐草文で埋めている。高台内には二重圏線をめぐらし、中央にいわゆる渦福銘を入れる。ハリ目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1690~1730年代

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色絵牡丹文壺

撫肩で、丸みの強い蓋付壺。器面を赤線で区画し、胴部におおぶりの牡丹を描いている。牡丹は正面、横向き、蕾などで表現 されている。線描きの黒線は、色絵具がのっていない部分の多くが失われているため破線となる。上絵の赤もかなり色落ちしているが、緑・黄・青色はよく残っ ている。腰から下の部分には全体的に細かい貫入が入る。補修はあるものの、蓋が残存している。輸出初期の色絵壺として貴重な資料である。 :肥前・有田 / 1655~70年代

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染付柘榴花鳥文大瓶:L:G.

輸出向けの大瓶であり、ガリポットと呼ぶ薬瓶といわれてきた。口部に凸帯をもち、胴部が球形を呈するこの器形はヨーロッ パのガラス瓶にもみられる。胴部に丸窓を設け、なかに「L:G.」とアルファベットの銘を入れるが、意味は不明。この型式の瓶にはこのようにアルファベッ トを伴うものがみられる。丸窓のまわりは牡丹、柘榴に鳥を配した文様を描く。頸部には花文と草文を交互に描いている。高台内に目跡が4個残る。 :肥前・有田 / 1670~1700年代

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染付草花文大皿

内面は窓絵を配置しているが、その数は9個と変則的である。窓には梅・松・牡丹・朝顔などの草花文を描き、窓と窓の間は 四方襷文・亀甲文・青海波文・七宝繋文などで地文とする。この内側に唐草文、さらに二重圏線内に水辺の草花を描いている。裏面には一本線の茎を繋いだ牡丹 唐草文を描く。高台内は圏線がめぐり、二重方形枠内に篆書による「福」字銘を書いている。また、ハリ目跡が7ヶ所に残る。 :肥前・有田 / 1650~60年代

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藁灰飴釉掛分舟形手付皿

雅趣のある小代焼は、茶席で愛好された。轆轤成形後、皿の両辺を切り落とし、舟形に仕立て、紐状の粘土で手をつけた菓子 器である。高台には、1ヶ所刻みをいれて切高台とし、高台内は篦で渦状文を施す。織部風の意匠から「掛け分け」としたが、実際は鉄漿をかけ、一部に薄く土 灰釉を施し、半分に白色の美しい藁灰釉を流したものである。見込と高台畳付に赤貝のような貝目痕が残る。 :肥後・小代窯 / 17世紀

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銹釉花唐草文瓢形瓶

胴部に文様を彫り込んだ瓶である。胴部全体に銹釉を施し、その上から花唐草文を線彫りにしている。さらに花の中心部分に 瑠璃釉を施し、典雅な趣が伝わる。胴部下位に2条の沈線を線彫りでめぐらせ、その下に蓮弁文を連続して線彫りで表す。高台内にも銹釉が施されているが、高 台畳付は幅狭く削り露胎としている。銹釉の製品は有田町山小屋窯跡、長吉谷窯跡、下白川窯跡などから出土している。 :肥前・有田 / 1660~1700年代

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染付銹釉茄子文皿

画面いっぱいに茄子文を配す。茄子文の背景には銹釉が施されている。茄子の蔕(へた)は粗い筆触(ひっしょく)で描か れ、花菱文は形が不揃いであり、文様の描き方あるいは裏文様の粗い筆使い、その輪郭線からはみ出した濃みなど、鍋島の初期的な要素がみられる。裏文様は全 面に五つの唐花を配し、間を唐草で繋ぐ。高台には四方襷状の文様をめぐらす。器形は浅く平たい。 :肥前・鍋島藩窯 / 1660~80年代

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鉄絵草文碗

胴は直線的に広がり、高台は高く、断面台形状に削り出されている。外面の二方に鉄絵で唐草文を表し、内外底を除き透明釉 を施す。見込と外底を無釉とし、直接重ねて焼く方法や、器形等は、同じ頃沖縄にたくさん輸入されていた中国の福建・広東地方で焼かれた粗製の染付碗の影響 を受けたものであろう。琉球では18世紀になると肥前磁器よりも中国磁器とともに琉球産陶器の比重が高くなり、生産も盛んとなる。 :琉球・湧田窯 / 17世紀後半~18世紀前半

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染付芙蓉手花鳥文大皿

芙蓉手の皿類は有田で様々なものが作られたが、この作品は中国明末の景徳鎮窯の本歌と共通点を残し、有田の芙蓉手のなか では比較的初期の作品と考えられる。広い鍔状の縁をもち、口唇部は菱花形に刻む。見込中央に岩に花鳥を描き、周縁部は区切って窓を設け、花文と八宝文を交 互に配す。裏面も六方に区画され、簡略化した文様を描く。高台内には染付の「福」字銘が記され、ハリ目跡が2個残る。見込には焼成時の降灰が多い。 :肥前・有田 / 1655~70年代

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染付唐獅子牡丹文菱形皿

岩牡丹と2匹の獅子が描かれている。形は土型を用いた糸切り細工(タタラ成形)による。高台は、菱形の付け高台である。 染付の文様は、輪郭線が丁寧に描かれ、また濃みの調子も巧みである。口部は直立し、幅広の口縁部に銹釉が塗られている。口部外側に花繋文、高台外側に雷文 が描かれている。高台内には、「福」字の染付銘と2個の染付銘と2個のハリ支え跡がある。 :肥前・有田 南川原山 / 1660~70年代

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色絵巴紋碗

1682年に統合されたという壺屋窯(那覇市)では、18世紀になると磁器風の陶器を作るために有色素地の上に白い化粧 土を施す。この碗はその上に透明釉をかけて白色陶器を作り、それに赤・緑絵具で三方に巴文を描く。碗形、文様、色の使い方などすべてに中国・福建地方の磁 器の影響が強くみられる。見込は蛇ノ目状に釉剥ぎし、高台にアルミナ砂を塗って直接重ね積み焼成している。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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灰釉飛鉋褐釉流筒花生

胴部の中ほどに帯状に露胎部を残し、その上下には灰釉をかける。露胎部は飛鉋技法で刻み、その上に黒褐色の鉄釉を流し掛 けして強いアクセントとなる。外方に折曲げた口縁部端は篦で押して波状に作る。高台内には雑に灰釉がかけられ露胎部もあるが、焼成時に敷いたモミガラ様の 熔着が釉の部分にみられる。 :琉球・壺屋窯 / 18世紀後半

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緑釉嘉瓶

瓢形から変形したとみられる独特の器形である。白化粧土を塗った上に銅による緑釉をたっぷりと高台脇までかける。釉の厚 さにはムラが多く、口部と底部付近には藍色に窯変した部分もある。高台内には褐色の鉄釉を塗っている。同様の器形の瓶で鉄釉の例もある。高台畳付の一部に は焼成時に下に敷かれた荒い砂が熔着している。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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緑釉掛分象嵌線文対瓶

鶴首形の瓶の胴部に白土象嵌で縦線文を表し、高台畳付付近を除き、透明釉をかける。この象嵌技法は19世紀になるとさか んになるようだが、薩摩焼の影響と思われる。上半部に施した銅緑釉は海鼠(なまこ)色に発色し、片面に厚く胴部に流れている。対瓶とは祭祀に用いられる左 右一対の瓶の意であろう。 :琉球・壺屋窯 / 19世紀前半

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鉄釉掛分輪繋文渡名喜瓶

独特の器形は肥前などで早くに作られた茶筅形から変化したものと思われる。くびれた胴部を刻んで紐で締めた様を表し、そ れを境に上は透明釉、下は鉄釉で掛け分ける。その境には釉を掛け残した露胎部がみられる。上のふくらみには釉下に白化粧土で輪繋文を描く。腰部以下の鉄釉 は焼成火度が低かったためか縮れを生じており、薩摩焼にみられる蛇蝎釉状を呈す。高台畳付は無釉である。渡名喜瓶は祭祀用の酒瓶として用いられるという。 :琉球・壺屋窯 / 18世紀後半~19世紀前半

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色絵婦人像(柿右衛門様式)

頭部は全体の比率からして大きく、反対に手は小さく華奢である。こうしたプロポーションの強調により、人形としての特質 と女性的な優美さが醸し出されている。成形は型により各部分はわけて作るが、体側部以外は丁寧な仕上げのため継ぎ目は見い出しがたい。底は平たく無釉であ り、わずかに布目が残る。左肩後面に直径8mmの空気穴がある。口は内部まで彫り開けられており、唇は上絵具で赤く色どられている。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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色絵花鳥文輪花皿(柿右衛門様式)

口縁部がゆるやかに外反りし、大輪の花が開いたような形態である。八つの区画をもち、4種の文様が対面して配されてい る。文様の種類は梅・桔梗・牡丹・菊である。素地は白く、釉が薄くかけられており、その柔らかな白さはいわゆる濁手の素地といえる。ヨーロッパからの里帰 り品で、見込の釉面や牡丹文に引っ掻き傷があり、食器としてかなり使用されたと思われる。裏面は無文であり、高台内に小さなハリ支え跡が3個みられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代

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青磁陰刻芭蕉文三足付皿

口縁部を輪花に直立させ、内面には篦彫りで芭蕉文を表す。篦彫りに加えて線彫りが施され、彫刻に変化をつけている。三股 青磁は透明感のある明るい淡緑青色の釉調であり、この調文をひきたてている。器面の下方に筒形の小猪口と、透明釉をかけた型押し成形の梅花文が熔着されて いる。裏面には、獣面の三足がつくが、高台は削り出しの小さな輪高台である。 :肥前・波佐見窯 三股山 / 1630~40年代

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黒釉龍文甕

「あまざけはんずー」と親しまれる甘酒貯蔵用の甕。薩摩の民陶雑器を総称して「黒もの」といい、一般に素朴な黒釉をか け、装飾も簡素な作りが多い。型で抜いた粘土を器の表面に貼り付ける貼花文で、甕を一めぐりする龍を表し、ほかは粘土紐を貼り付け、竹管や指で押して装飾 する。欧米でマルタバン・ウェアと呼ばれる東南アジアの陶器甕に、こうした龍の貼り付け文の装飾がみられる。底部は無釉で貝目痕が残る。 :薩摩・苗代川窯 / 17世紀後半~18世紀

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色絵紋章文皿

見込中央に染付と上絵付の赤・金でヨーロッパの紋章を描き込んでいる。この紋章はオランダのブーレン家の娘イダ・マリア とブレデローデ家の息子ジョアンとの結婚(1702年)によって生じた紋章であるといわれ、アムステルダム国立博物館にも同類品が収蔵されている。染付の 発色はにじみがあるが、上絵付は繊細でいかにも注文品らしい入念さで描かれている。裏面は無文で高台内にハリ目跡が3個残っている。 :肥前・有田 / 1700~30年代

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色絵唐獅子像(柿右衛門様式)

右は阿形、左は吽形で対をなす。ヨーロッパからの里帰り品で、金具はヨーロッパでつけられたもの。施釉部の素地は白く見 えるが、無釉部には黒い微粒子がかなりみられる。数個の型を用いて各部分が成形され、生乾きの時に接合される。絵付けはすべて上絵付である。顔や腹は黒の 輪郭線なしで青と黄で広い面が塗りつぶされている。 :肥前・有田 / 1670~90年代

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色絵赤玉雲龍文鉢

いわゆる献上手と称されるこのような鉢は、厚手に作られ、入念な上絵付が施されている。染付素地に赤・金などを加えた金 襴手様式の典型的な作品の一つ。見込に雲龍文を描き、周囲に規則的に赤玉と龍・宝珠の入った丸輪を配し、間を格子状の地文で埋める。外側は四方に窓を設 け、鳳凰と草花文を表し、窓と窓の間は赤地に唐花唐草文を描いている。高台内には二重圏線内に「大明萬暦年製」の銘を入れる。 :肥前・有田 / 1700~30年代

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色絵鶺鴒文皿

鍋島において黒を用いた作品はきわめて少なく、この鶺鴒文以外ではほとんど作例がない。鍋島では染付の藍色に上絵の赤・ 緑・黄の4色を基本とし、これらの彩料であらゆる文様が表現されてきた。対象の色が黒であっても鍋島の作品としては、染付の藍色で表現されるのが通例であ り、この鶺鴒も本来なら主体は染付で表現し、部分的に緑・黄や赤を用いたであろう。裏文様は三方に四つ玉の七宝結び文、高台に櫛目文が描かれている。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代

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染付唐人文柑子口瓶

このような口部に近い部分が丸くふくらんでいる瓶の原形は中国磁器にあり、日本では柑子口瓶と呼ばれる。胴部画面の区切 りに独特の雲文を用いる点など明末の中国・景徳鎮窯の影響がみられる。やや粗い筆致で布もしくは髪のようなものを手にしている唐人が描かれ、唐人の背後に は長い柄の旗と翳(さしば)が掲げられている。細長い頸の部分には花文・蝶文が配され、柑子口のふくらんだ部分に蓮弁文がめぐらされている。 :肥前・有田 / 1660~70年代

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染付山水文輪花大皿

体部は内外面に鎬を持つ特殊な形態である。このような特徴を持つ陶片が、有田町山辺田窯跡から出土している。口縁部内面 と見込周縁部に唐草文の文様帯を持つ。見込は、中央に柳のような樹木、その傍らに垣根のある家屋を描き、これらの両側に岩山を配置している。遠景には鳥の 列と月を描いている。外面にも牡丹唐草文の文様帯を持つ。高台を挟むように二重圏線、高台内中央にも圏線があり、ハリ目跡が2ヶ所に残っている。(今泉吉 郎氏寄贈)(重要文化財) :肥前・有田 / 1640~50年代

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染付人物山水文大皿

口縁部は外側に折られうえ内湾させている。口縁部内面は如意頭状の文様、その内側には唐草文を描いている。見込は、二重 圏線内に深山を描き、これを見上げるように瓢箪を担いだ修行僧らしき人物が松の木の傍に描かれている。瓢箪を担ぐ人物図は、中国の絵手本などに見られる。 外面は草花文を描き、高台内には圏線がめぐり、二重方形枠内に「福」字銘が書かれている。 :肥前・有田 / 1650~70年代

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染付梅樹文大壺

鍋島は木盃形の皿や向付などの食器類が圧倒的に多い。壺類は少なく、伝世品としてはこのタイプの大型壺が知られている。 しかしそれ以下の小さい壺が見当たらない。古窯跡の出土資料においても壺類の陶片は少なく、とくに小さい壺はみられない。この壺は文様の線描きと濃みの調 子、皿と共通する文様などから鍋島藩窯の製品と判断される。口縁は無釉であり、共蓋があったと考えられる。底面はアーチ状に窪み、布目が残る。 :肥前・鍋島藩窯 / 1720~40年代

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染付山水文大皿

口縁部を鍔縁に成形し、上面には2本の圏線の間に点綴りの唐草文、内側面は波涛状の文様を描いている。見込には土坡を数 段重ね、そこに岩・東屋・草木を描き、遠景には帆掛舟、山の端の向うには満月を描く。見込の絵は染付の濃淡を利用して粗放に描いている。外面は口縁下に染 付の線がめぐり、高台畳付を除く全面に施釉されている。皿の内側にみられる文様は、有田町山辺田窯跡出土の陶片に類例がみられる。 :肥前・有田 山辺田窯 / 1630~40年代

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