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情報所有館 : 国立科学博物館
1960年(昭和35)、つり橋用ワイヤーとして、神戸製鋼所はその高い線材製造技術を活かし、つり橋ワイヤー用素材を製造してきた。つり橋用ワイヤーはその使用用途から、介在物・偏析等の内部品質、脱炭・表面きずなどの表面品質の要求が厳しい。また、使用鋼材量の節減からも高強度化が求められる。それらの要求を達成した高強度バラレルワイヤー用線の製造技術を確立し、明石海峡大橋への適用を図った。
土木建築技術の飛躍的向上に伴いコンクリート補強用鉄筋には高強度化とコンクリート付着性向上のための異形化が、その当時強く要望されていた。神戸製鋼所は1960年より日本で最初に高強度異形鉄筋デーコンを開発・実用化し、製品を広く市販することができた。
高級継目無鋼管製造のために品質的・コスト的に最も有利な「ユジーヌ・セジュルネ式熱間押出法」を日本で最初に導入し、1958年炭素鋼・合金鋼・ステンレス鋼継目無鋼管の製造を開始した。本法は、汎用ガラスを潤滑材として使用し水圧横型プレスによって高温加熱ビレットを熱間押出成形することを特徴とする。特に変形抵抗の高いステンレス鋼、超合金継目無鋼管が製造できる唯一の方法として現在においても実用されている。
1957年に原子燃料被覆管の開発に着手し、1966年に軽水炉原子力発電所用ジルコニウム被覆管年産9万mの専用工場を日本で初めて完成した。これはGE社との技術提携と当社圧延技術を組み合わせた世界でトップクラスのものである。更に、独自技術による高速増殖炉用ステンレス鋼被覆管の専用工場も完成した。その後更に、年産50万mに増強し、国内沸騰水型軽水炉、高速増殖炉常陽・もんじゅに多くの納入実績をあげてきている。
半導体製造用超高純度ガス配管用として、組成の清純度、管表面の清純度と平滑度の優れたIDクリーンパイプ製造専用工場を1984年に日本で初めて完成した。その基本技術は内面電解研磨、精密洗浄技術であり、4MDRAM以上の高集積度半導体量産工場の高歩留生産に貢献し、現在も納入実績を重ねている。
1970年に日本で初めて「アトメル」の名称で鉄粉の製造、鉄粉を用いた焼結部品の製造を開始した。その基本技術は、水アトマイズ装置と還元炉であり、純鉄粉、快削鋼粉、低合金鋼粉、磁性用粉およびその焼結部品を自動車用部品業界などに多く納入している。
明治38年の創業以来、神戸製鋼の30年間の沿革史を残した記録であり、当時の本社、門司、鳥羽、名古屋工場の全景や工場の主要設備ならびに主要製品などの貴重な記述がある。その他、組織、会計、労務関連の記録があり、さらに、経営者の方々の回顧録等も含まれている。
神鋼五十年史は、創立以来の沿革を、創設期、躍進期、不況打開期、戦時体制期、再建復興期に分けて記録し、神戸製鋼所が歩んだ多角経営の特質に主点をおき、製品を中心として、その発展過程を社会情勢の推移のうちに総合的にまとめたものである。
神戸製鋼の70年を、誕生、成長、苦闘、躍進、明日の5段階に分け、経営と技術の変遷を記録に残している。70年史ではとりわけ、躍進期である1950年(昭和25)から1973年(昭和48)までの、日本産業の高度成長期に焦点を当てて、高炉建設をはじめとする目ざましい、発展の歴史を記述している。
「神戸製鋼80年」は、創業満80周年の記念事業として神戸製鋼の80年史を編纂したものである。本史は80年の通史とし、経営の歴史ならびに主要な事柄を正確に記録に残して、今後の経営に役立てることを基本方針としている。全体の構成は、総合史・部門史・資料の3部からなり、複合的な大発展と業容拡大により、膨大な資料の収集が必要となり、740ページを越える年史である。