「佐賀県立九州陶磁文化館」 に対する検索結果 : 316

情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 

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鉄絵筒茶碗

上野焼・釜ノ口窯は、慶長7年(1602)以降に朝鮮陶工尊楷(そんかい)が開窯し、千利休に茶の湯を学んだ藩主細川忠 興のもとで味わい深い質朴な陶器を焼いた。寛永9年(1632)、藩主の国替にともない肥後へ移窯するまで続いた。全体に薄くかけられた透明な灰釉は、淡 灰色あるいは枇杷色に発色し、胴の上下に2条ずつめぐらした鉄絵の圏線で簡素な筒形の茶碗を引き締めている。高台畳付は釉をぬぐい、高台脇に指痕らしい無 釉の部分が残る。 :豊前・上野窯 釜ノ口窯 / 1600~30年代


藁灰釉流耳付水指

矢筈口(やはずぐち)に口部を作り、ひねりをきかせた双耳付の水指に、藁灰釉の白い流れが大胆な景色となっている。上部 を分厚くし4条の横筋をめぐらせ、胴の部分は篦で粗く縦筋を刻み桶形としたか、あるいは正面に短い刻みをつけ曲物の綴目としたものか、陶器で木器を写すと いう茶陶らしい遊び心が感じられる。底部は無釉、浅く削った高台の内には細かな轆轤痕が残る。内ヶ磯窯の製品と思われる。 :筑前・高取窯 / 1610~20年代


象嵌花文碗(花三島)

全面を覆う細かな花文様が見事である。朝鮮半島の陶磁器は、とりわけ戦国時代の茶人に珍重され、その枯れた美しさがわび 茶にとりいれられた。朝鮮半島の陶磁器は肥前の陶磁器の技術的な源流であり、そこには肥前の陶磁器にみられる焼成技法、装飾技法の多くが見られる。この象 嵌の技法も肥前陶器(唐津)に多く用いられた。(溝上元良・正子夫妻寄贈) :韓国 / 朝鮮王朝時代 15世紀


型紙摺唐花唐草文大皿(二彩手)

口縁部を鍔縁に成形し、端部は短く立ち上がり、上面には薄く緑釉が施されている。内面は、中心部および三方に鉄絵具で花 付き三つ葵の外形を描き、緑釉を施している。また、三方に型紙を利用し藤と牡丹とみられる花文を、盛り上がった白化粧土で表している。唐津焼では17世紀 前半に行われた例は少ない。高台畳付を除き、全面に透明の釉薬が施される。高台は2ヶ所で切られ、高台周辺に手跡が残っている。 :肥前 / 1610~40年代


染付龍鳳凰文釣鐘形水指

全面に緻密な筆致で染付文様が描かれている。また造形も凝っており全体が釣鐘形になっている。底は別に作り釉で熔着さ れ、無釉の底面中央にハリ支え跡が一つある。蓋のつまみには両側に獣面があり、また蓋上部に鳳凰と雲龍が描かれている。胴部は六つの文様帯に分かれ、唐 草・桜花と雲龍・雲龍・松竹梅・蓮弁・唐草の各文様がめぐる。造形、絵付ともに江戸期の技術力の頂点を示している。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代


色絵山水木目文大皿(青手)

古九谷様式中期から後期の特徴を有する。平らにカットした口唇部に口銹を施し、裏文様に密な唐草文を描く。高台内の福字 銘は中・後期のもの。口縁部を折り曲げ黄色で塗りつぶした例は出光美術館蔵品などがあり、青手のなかでも少し異なるグループを形成する。内側面の木目文は 雲気文かもしれないが、1640年代前後の青磁皿にも多く用いられたものであり、1670年代以降はみられなくなる。 :肥前・有田 / 1650~60年代


色絵牡丹文大皿(青手)

青手古九谷と呼ばれてきたものであるが、青手は2種類に大別でき、本例は高台径の口径に占める割合が小さいこと、口唇部 に口銹を塗らず白地のままにしていることなどが特徴であり、古い方のタイプに属する。古九谷様式中期に位置づけられる。外側面の地文様は唐草文かもしれな いが細かい連続文を表している。高台内が白地の状態であること、底裏の福字銘も中期の特徴を示すものである。 :肥前・有田 / 1650年代頃


色絵樹鳥波文大皿(青手)

青手古九谷様式に属し、裏文様なども色絵牡丹文大皿(所蔵番号3263)と同類である。口唇部と高台内に素地の白地を残 す点も青手としては古いタイプにみられる特徴であり、古九谷様式の中期に分類できる。崖の梢に憩う2羽の鳥と、強いうねりを表した波を黄・緑・青・黒線で 描く。高台内には色絵古九谷様式にだけみられる複雑な角銘を黒線と緑絵具で表す。 :肥前・有田 / 1650年代頃


藁灰釉筒茶碗

底部から口縁部まですっきりと筒形に作った茶碗には、轆轤目が残され、藁灰釉の不透明な白の下から茶褐色の線条文が見え 隠れし、釉全体に細かい貫入が入る。てらいのない率直な作行に、茶碗としての品格がひかる。底部は無釉で、高台際の鋭い削りに対して、高台内は浅く削る。 のちの所蔵者「信榮」は、箱書のなかで大名物の高麗茶碗「挽木鞘(ひきのさや)」の筒形の影響があるとみているが、いかがなものであろうか。 :豊前・上野窯 釜ノ口窯 / 1600~30年代


色絵網目花文瓢形瓶

瓢形の瓶は有田では珍しくないが、形状は時代によって異なるものがある。この瓶のように下半分が豊かにふくらんだ瓢形瓶 は初期に多い。百間窯(佐賀県山内町)出土品に似通っている。底部の中央を浅く削り込み、無釉の畳付は幅を広くとっている。1640年代頃の特徴をもつ素 地に赤と緑の絵具で網目文と折枝花文を表す。有田の色絵が初期伊万里の後期に誕生したことを示唆する作品としても貴重。 :肥前・有田 / 1640年代


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