「佐賀県立九州陶磁文化館」 に対する検索結果 : 316

情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 

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染付迦陵頻伽文筆管

筆管すなわち筆の軸を磁器で作るのは、17世紀中葉頃からまれにみられる。迦陵頻伽とは、美女の顔をした鳥で極楽浄土に いるといわれる。この文様が筆の軸に描かれている。線描きは細く丁寧であり、また長い尾羽の間には薄い影のようなぼかし濃みが施されている。類似の陶片が 柿右衛門窯跡から出土している。筆の右端面だけが無釉であることから、窯内では立てて焼成したと考えられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代


染付馬文菱形水指

菱形につくり長辺の隅を落とした水指は、磁器の板造りで、団扇形窓絵には表に2頭、裏に1頭の俊馬を染付で描く。日本の 茶人が愛した中国製の「古染付菱馬水指」を手本に焼かれたもの。本来は共蓋だが、失われてない。底部は平底で無釉、中央に染付銘「須ゑ(恵)」が入る。青 味を帯びた透明釉の美しさは、黒田藩御用の優品を生んだ須恵焼の端正で格調高い魅力を伝えている。 :筑前・須恵窯 / 18世紀後半~19世紀初


色絵蓮池鷺文皿(呉須赤絵)

16世紀に青磁にかわって染付が磁器の主流になると、福建南部でも染付生産がさかんになる。そのなかにわが国で呉須手と 呼ぶ独特の磁器があり、色絵を施したものを呉須赤絵という。これらは輸出港・仙頭(スワトウ)に因んで欧米ではスワトウ・ウェアと呼ばれる。最近、その中 心的窯が福建省しょう州で発見された。江西省景徳鎮窯の色絵磁器と異なり、材料の欠点を化粧掛けで補い、粗放な作行である。赤が強調された豪放な絵付は肥 前色絵に影響を与えた。 :中国・ショウ州窯系 / 1590~1630年代


染付柳鷺文台付大皿

口縁上面には染付の圏線がめぐり、端部は短く折り曲げられる。口縁部内外面は、2ヶ所に雷文を描き濃みを施している。見 込には、雪の積もった柳に鷺が2羽描かれる。台には日足文が透彫されるが、2ヶ所は八日足、1ヶ所は七日足になっている。この透彫と透彫の間に染付で如意 雲文を描き、台下部にも染付で雷文が描かれている。高台畳付は露胎であり、器表や台の内側には貫入がみられる。鉢と台を別々に作り、接合している。 :肥前・有田 / 1650~70年代


色絵花鳥文六角壺

6面に鳳凰文と花卉(かき)文が交互に描かれている。蓋と肩部には三方に窓が設けられ、鳳凰が描かれている。成形は板作 りの技法により、6面の粘土板が接合されている。この作品と同様のものが、ドイツのマイセン窯やイギリスのチェルシー窯で18世紀に倣製されている。金具 はヨーロッパでつけられており、蓋の金具のほか、六足の金属台がある。類品がイギリスのメリー女王のコレクションとして知られるハンプトンコート宮殿所蔵 品にある。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代


色絵巻軸文皿

巻軸を8本放射状に並べ、間に菱花文を描く。色使いは染付による藍色と、上絵の赤・黄・緑からなる。巻軸が染付で太く描 かれているためそれで画面が区画されている。また軸の紐と菱花があざやかな赤で描かれ、リズミカルな装飾効果を出している。見込を白く抜く構図は鍋島の中 では比較的多い。形は典型的な木盃形である。裏面には六つ玉の七宝文を三方に配し、高台には櫛目文がある。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代


色絵椿文皿

椿を画面いっぱいに描くが、文様が画面からはみ出す描法は鍋島ではよく用いられる。これにより文様が大きくのびやかにみ える。椿の幹は染付のみで表現され、葉は染付と上絵の黄と緑、花は上絵の赤で描かれている。椿の花は白と赤の2種が描かれており、白は線書きだけで表され ている。裏面には三方に六つ玉の七宝文、高台に櫛目文がある。 :肥前・鍋島藩窯 / 1700~20年代


色絵龍虎文輪花皿(柿右衛門様式)

竹に巻きついた龍と地に踊る虎が向い合う構図。中心には柿右衛門様式によくみられる梅の文様が描かれている。龍と虎は赤 と金の彩色であり、柿右衛門様式の中では特異な色使いである。皿の形は十稜の輪花で、乳白色の上質な素地である。口部には銹釉が施されている。裏面に文様 はなく、高台内に小さなハリ支え跡が5個みられる。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代


染付芭蕉草花文柑子口大瓶

頸部から胴部に捩った縦筋が篦彫りにより施されているが、頸部の縦筋は描かれている矢羽根文様と一致している。頸部が切 られ、金属による細工が施された同類品がトルコのトプカプ宮殿に所蔵されている。胴部に大きく芭蕉を3本描き、その前に大きく穴のあいた太湖石を表す。周 囲はさまざまな花卉文で埋めている。釉は青みを帯びており、胴部から腰部にかけて貫入がはいる。容量は約6リットル。 :肥前・有田 / 1660~70年代


色絵薄瑠璃唐花文菱形皿

薄瑠璃を掛け残した窓に唐花唐草文を描く。赤い色で輪郭線を描くのは、初期のものに多いが、この作品も赤で文様を縁取 り、内側に黄色と緑色の絵具を施す。成形は糸切り細工で、高台は菱形の貼り付け高台である。裏面四方に唐花唐草文、高台に蓮弁文が染付で描かれている。さ らに表の薄瑠璃が裏面に流れている。 :肥前・鍋島藩窯 / 1660~80年代


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