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情報所有館 : 佐賀県立九州陶磁文化館 

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青磁染付雷文皿

染付と青磁による爽やかな色調の作品である。鍔状の口縁に青磁釉が少し盛り上がりぎみにのっており、端は釉が薄いため素 地の白さがみえている。皿の内面には藍地に薄瑠璃色の雷文を表すが、よく見ると薄瑠璃色の縁にはすべて墨弾きによる白抜き線を伴っている。裏面は染付で六 つ玉の七宝結び文を三方に配し、高台には長めの櫛目文をめぐらす。 :肥前・鍋島藩窯 / 1730~40年代


色絵碁盤童子置物(柿右衛門様式)

碁盤と童子の組み合わせで関連することと言えば、男の子が5歳になると成長を祝って行う髪削(深曽木)の儀式がある。ま た江戸時代の座敷芸に、人形を碁盤の上で操って踊らせる碁盤人形というのがある。この作品もこうした儀式や遊芸にちなんだ題材と考えられる。童子の背中に は横長の赤い四角い布をさげたような絵付けがなされている。童子も碁盤も内部は中空であり、碁盤の方は内部に4本の柱で箱を支えている。 :肥前・有田 南川原山 / 1670~90年代


象嵌牡丹文角水指

粘土の板をよせて方形に作った角水指は、前後に大きな牡丹文、両側面に小振りの牡丹文を彫り、白土を埋めた象嵌技法で意 匠をきわだたせている。平底の底部を除き、全面に施された薄い透明釉の面は、茶褐色の胎土が抹茶色を呈している。共通点の多い作である象嵌牡丹文四方形香 炉は、底部に「宝暦六丙子(1756)…」の彫り銘をもつ。本品は佐賀の旧家に伝世し、茶席に使われたという。 :肥後・八代窯 平山窯 / 18世紀中葉


三彩皿

無釉のまま高火度で焼成したあと、低火度焼成の藍釉・緑釉・黄釉・透明釉が掛け分けられ、焼成時に熔融し合うことによっ て複雑な色調が生まれている。焼成が不足すると熔け合わず、焼成が過ぎると混じりすぎて色調が不鮮明になる。この製品はもっとも良好な焼き上がりといえ る。素地は白い磁胎であり、透明釉をかけた部分が白くみえる。 :肥前・長与窯 / 1790~1820年代


青磁染付紫陽花文皿

雨後の紫陽花を彷彿とさせる作品である。染付による紫陽花文に、しっとりとした青磁釉が垂れ込めている。釉の境には画す る線もなく、曲線を描きながら柔らかに融け合っている。紫陽花は一見すると写実的であるが、花弁や葉の描き方などパターン化され、個々の基本単位を巧みに 組み合わせて表現されている。裏面には雲形の葉に八つの花弁をもつ花唐草文を三方に描く。高台は長めの櫛目文をめぐらす。 :肥前・鍋島藩窯 / 1690~1730年代


青磁染付桃文皿

桃図の背景に青磁釉を施す。円形の画面いっぱいに文様を配すのは、鍋島には多くみられる構図である。左手の白い桃は、染 付の線書きだけで表されている。もっとも大きい文様を、もっとも単純な手法で表現している。右手の桃は墨弾きによる白抜き文を全面に描く緻密な表現であ る。大きくて単純な桃と、小さくて濃密な桃の対比がおもしろい。裏面の三方には、雲形の葉を持つ唐花唐草文を描く。高台には櫛目文をめぐらす。 :肥前・鍋島藩窯 / 1690~1730年代


刷毛目文水指

蓋には宝珠状の紐(つまみ)がつき、表面には白化粧土を用い打刷毛目を施す。裏面は周縁部に刷毛目を施し、中央部は露胎 で赤褐色を呈している。身には蓋受けがあり、この上面は白化粧土が残っている。胴部は、器表全体に薄い白化粧土による刷毛目、さらに打刷毛目を3段に施 し、暗褐色の地に白化粧が映えてみえる。蓋・身の内面と高台畳付を除く全体に透明釉が施されている。打刷毛目は武雄市庭木窯跡などの出土品に類例がみられ る。 :肥前 / 1690~1740年代


灰釉簾文水指

水指に仕立てた広口瓶である。肩と胴部を区切るように2条の線文をめぐらし、肩には鋸歯文の山形、胴には簾状の破線文を 篦で描いている。器形と文様は、阿蘭陀水指のアルバレロ形壺を意識したものではあるまいか。器内外には土灰釉を薄く掛け、さらに口縁部から流した藁灰釉が 灰褐色の器面に白く、けしきを添えている。内底には三足付ハマの熔着痕がみられる。底部は無釉であり、高台内には「小代」の丸印と「牝小路(ひんこう じ)」の角印がみられる。 :肥後・小代窯 牝小路窯 / 18世紀末~19世紀前半


三彩茶碗

上野皿山本窯は田川郡赤池町上野で寛永2年(1625)に開窯し、細川藩政から小笠原藩政を経て、明治4年(1871) の廃藩置県とともに御用窯としての性格を失う。「上野三彩」は江戸後期の新しい技法で、碗の内外に紫蘇釉(しそゆう)と呼ぶ黒に近い暗紫色や黒に発色する 釉を施し、その上に黄釉・銅緑釉・白釉をイッチン掛けの手法で流し散らす。椀形の茶碗は、胴部を指で凹ませ、高台は裾広がりに削り出す。 :豊前・上野窯 上野皿山本窯 / 18世紀


染付雲龍麒麟文耳付花生

精密な細工による龍耳をつけた広口の花生。染付で胴の上方に龍、下方には麒麟を描く。背面には頭を後方に向けた同様の龍 と麒麟を配す。19世紀の三川内焼は染付の描写と白磁のひねり細工が精巧を極め、しばしば両者を組み合わせた製品が作られている。絵書きと細工は分業であ るため別人であるが、いずれもおとらぬ技術力を有している。口縁部のリンボウと呼ばれる連続文は、三川内焼の碗や花生などに多用された特徴ある文様であ る。 :平戸・三川内窯 / 19世紀


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