明治時代後半に水力エネルギー利用の 普及に貢献した小水力用水車

資料番号 : 901390200037
所在等 株式会社 東芝 京浜事業所
所在地 神奈川県横浜市鶴見区
製作(製造)年 1906~1917
種類 写真、その他
製作者(社)等 芝浦製作所、電業社原動機製造所
調査機関団体 平成18年度田中主任調査員調査分
特徴 1906(明治39)年頃に、芝浦製作所(現 東芝)で、地方の村落で手軽に利用できる小水力用水車を開発する話が出て、水車の設計を担当していた田澤昌孝がそのための水車を開発した。この水車は発明者の名前を冠して「田澤式軽便タービン水車」と通称されたが、正式には「沿軸並流水車」と言い、1909年に特許第17021号に登録されている。試作初号機は落差1mで3馬力、1kWを発電するものであった。 この水車の製造は、1910年に芝浦製作所の水車製造事業を電業社に移管したのに伴い、電業社に引き継がれた。以後、1917(大正6)年以降、本格的水車の製造が軌道に乗るまでに、0.25~68馬力の水車が累計162台、合計出力2,200馬力が製作され、揺籃期の水力開発に大いに貢献した。田澤昌孝自身の著書「我が水車工業25年の追憶」に、その開発の苦心談が収録されている。なお、田澤昌孝は、1900年の芝浦製作所の水車製造開始以来、電業社においても引き続き水車の設計に従事し、現在の東芝の水車事業の技術的基礎を確立した。本軽便タービン水車は、元来、山村の旧式木製水車を置き換えることを目的として創製されたものであるので、効率の優れた大容量の水車が製作される今日では、実物資料として現存するものは無い。わずかに文献、カタログ、写真などが資料として残されているのみである。
資料公開状況 非公開
調査票記入日 2006/11/24
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