「浜松市楽器博物館」 に対する検索結果 : 30

情報所有館 : 浜松市楽器博物館 

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ダブルベル・ユーフォニアム

19世紀後期 W.J.グロウナート販売 アメリカ。吹奏楽で中音域を担当する楽器がユーフォニアムで、19世紀の中頃にドイツで生まれたとされる説が最も有力。オーケストラで採用されることはめったにない。柔らかで豊かな響きは全体のサウンドを包み込む。19世紀には2つの楽器を合体させた「複合楽器」がたくさん作られたが、これもそのひとつ。バルブで瞬時に切り替えることによって、大きなベルではユーフォニアムの本来の柔らかな音、小さなベルでは、やや硬質のトロンボーン的な音を出し、演奏に彩を与える。


7ベル・サクソルン

1860年頃 アドルフ・サックス作 パリ。木管楽器「サクソフォーン」の開発者として有名なアドルフ・サックス(1814~1894)が作った金管楽器。金管楽器(ラッパ)は7本の異なる長さの管があれば、組み合わせて1オクターブ12音が簡単に出せるので、異なる7つの長さの管を束にして吹き口をひとつにしたものである。見た目は面白く、7つもベルがあるので、同時に2つ以上の音が出せると思われてしまうが、実は音は一度に1つしか出ない。吹いた時、7本のうちどの管に息を通して鳴らすかを、バルブで選択する仕組み。大きさの割には重く、操作もやりにくかったので、普及はしなかった。


サックバット

1608年 ヤコブ・バウアー作 ニュルンベルク。初期の形態のトロンボーンを、現代のトロンボーンと区別してサックバットと呼ぶ。フランス語でサック=引くブット=押すの意味。トロンボーンは15世紀に管の一部を伸縮させて演奏するスライドトランペットから生まれたとされ、長い間、教会で歌と一緒に演奏されたり、器楽曲に使用されてきた。教会を出てオーケストラに使用されるのは18世紀後期からである。サックバットは現代トロンボーンに比べて細身でベルの広がりが小さく、音の指向性が強い。コルネットを交えた多声部のアンサンブルでは、絶妙の音程調整ができるため、ハーモニーは極めて美しい。サクバットと表記することも多い。


セルパン

0829~1840年頃 F.プリティ作 ロンドン。セルパンはフランス語で蛇の意味。英語ではサーペント。唇を振動させて音をだす。。今日のチューバにつながる低音金管楽器である。16世紀にフランスの僧エドメ・ギョームが考案したとされる。音色が人の声によくなじむので、19世紀になるまではフランスの教会で合唱の補強に使われた。18世紀末には器楽合奏や軍楽隊でも使われた。本体は木製で、くり抜いた2つのン部材を合わせて皮で巻いてある。S字状の形状のため、指で孔を抑えることが可能になった。


パッタラー

20世紀 ミャンマー。パッタラーは普通は舟形の胴に竹製音板を並べたシロフォンを指す。この楽器の音板は金属製で胴体のデザインも豪華な高級品。本体デザインの動物はピンサッユーパという想像上の吉祥の動物。パーリ語でピンサッは「5」、ユーパは「外見」の意味。象、鳥、馬、鯉、ホー(伝説上の有角獣)、または獅子、象、水牛、鯉、アヒルの5つの各部分が合成されている。本楽器は前者の5つ。象の鼻と牙、鳥の翼、馬の脚、鯉の尾びれ、ホーの角である。鹿や龍も含まれるという他説もあるようだ。


ササンド

20世紀 ロテ島 インドネシア。現地に生息するロンタルヤシの葉と竹筒、金属弦からなるはじく弦楽器。竹筒琴(ちくとうきん)の一種である。竹筒琴は東南アジアに数多く見られる。元来は竹筒の表面を縦方向にナイフで切り出して駒を入れ弦にしていたが、後に金属弦に替わった。両手で竹筒を左右から握るようにして指ではじく。娯楽や祝い事等で演奏される。ヤシの葉を碗状にして竹筒を配置したデザインは、楽器のデザインの中でも最も美しいもののひとつだろう。現代にも伝承しているが、蛇腹型ではない、折り畳みのできる椀型が主流。本楽器は古いタイプの貴重品である。


サイン・ワイン

20世紀 ミャンマー。調律された複数の太鼓を環状に配置しメロディを演奏する楽器パッ・ワイン(サイン・ワインともいう)を中心にした打楽器群の総称。サインは吊るす、結ぶ、ワインは環状の意味。パ・ワインのほかに、同じく調律され環状に配置されたこぶ付ゴングのチー・ワイン、オーボエ系管楽器のフネー、太鼓チャウ・ロン・パツなどから構成される宮廷楽器である。ゴングや太鼓を配置する台座やフレームは金色で小さな鏡をたくさんはめ込んであり、豪華で美しい。大きな太鼓を吊るしているフレームの動物は、ピンサッ・ユーパである。


セタール

1995年頃 イラン。イラン伝統のはじく弦楽器。古典音楽で使用する。ペルシア語でセは3、タールは弦の意味。従って「三弦」という楽器である。その名の通り元来は3弦であったが、19世紀に一本追加されたため、現在は4弦。ただし付加された4本目の弦はドローン(メロディではなく持続して鳴り響く低音)担当のため、演奏機能としては3弦のままと言ってよい。胴は胡桃または桑材。弦は金属。ネックに付いているフレットはガット(羊腸弦)を巻いているだけなので移動可能であり、ペルシア音楽の特徴である細かな微分音が出せる。


タール

1995年頃 イラン。アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、イランなどに見られる弦楽器。タールはペルシア語で弦の意味。古典音楽や民族音楽で使用される。イランでは、このタールは花形の弦楽器と言える。ピックではじいて演奏する。特徴は見ての通りの8の字型の胴体で、桑の木を掘って作る。弦は金属で復弦3コース。ネックにあるフレットはガット(羊腸弦)を巻いただけのもので位置を移動できるため、微分音が出せる。


サントゥール

1995年頃 イラン。台形の箱に金属弦を張り、両手に持ったバチで打奏する。サントゥールは100の弦という意味だが、実際はもう少し少ない。本楽器は18コース54弦。10世紀以前には存在していたとされる。弦を打ち鳴らすということからピアノの祖先ではあると言われることもあるが、この楽器がピアノへと変化していったわけではない。ヨーロッパのダルシマーやハンガリーのツィンバロム、中国のヤンチンはこの仲間。インドにも伝わり同名で呼ばれる。


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