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情報所有館 : 郵政博物館 

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ディニエ印字電信機

フランスのディニエ社により1860年頃に製作された印字式モールス電信機です。インクのついた円盤にテープを軽く押し付けるとテープ上に符号が印字される仕組みで、ゼンマイ駆動の時計仕掛けが使われています。榎本武揚が1862年に幕府によりオランダへ派遣された際に入手し、1868年に榎本が戊辰戦争へ参戦する際に函館の運上所に預けられた後、所在不明となっていました。その後、愛宕山下の古道具屋で明工舎の沖牙太郎に買い取られ、1881年に榎本が会長を務めていた電気学会の第3回電気学会講演会で、逓信省技術官僚の吉田正秀によってこの電信機が紹介されことをきっかけに逓信省に寄贈され、現在に至っています。


自働郵便切手葉書売下機

この機械は、1904年、山口県赤間関(現在の下関市)の発明家俵谷高七により考案された「自働郵便切手葉書売下機」というもので、日本に現存する最も古い自動販売機です。写真向かって右側に3銭切手の発売口、左側に1銭5厘のはがきの発売口があり、中央下部には硬貨の返却口とポストが付いています。はがきは、1銭5厘入れると1枚、3銭入れると2枚出てくるようになっています。また、在庫が無くなると、売切れの表示もできる仕組みになっています。しかし、この販売機は、装置作動の正確さにやや難点があり、実用化されませんでした。


デルビル磁石式壁掛電話機

1869年、ガワーベル電話機に代わり、デルビル磁石式電話機が登場しました。加入者は磁石発電機のハンドルを回して電話局へ信号を送り、電話局からは自動変極器からの交流を加入者に送り、加入者電話機のベルを鳴らしました。この磁石発電機をもつ電話機のことを磁石式電話機と呼んでいます。木箱の中に磁石発電機、磁石電鈴、誘導線輪などの附属品が入っており、一次電池はそのすぐ下にテーブルのように取り付けた別の木箱の中にレクランシー電池2個が入っています。デルビル電話機は壁掛型の他、卓上型も作られました。その後、共電式、自動式と並行して小規模局で1965年頃までの長期にわたって使用されました。


ドイツ製足踏式押印機

これはドイツ製足踏式押印機で、1884年当時駅逓総官であった野村靖が欧州に出張した際に公的に購入したものと伝えられています。19世紀後半には、各国とも近代郵便制度が社会に浸透したため差し出される郵便物が増加し、手作業による押印作業は困難を極めるようになりました。そのため、各国とも押印機の研究開発に努め、ドイツで開発されたのがこの足踏式押印機でした。このドイツ製足踏式押印機は東京郵便局で試用されましたが、1分間に100通前後しか押印できなかったようです。これは日本の封筒の紙質がこの機械の性能に合わなかったためで、残念ながらこの押印機の導入は幻となりました。


人車(じんしゃ)

郵便が創業して間もない頃は、郵便物の輸送には専ら「人車」(じんしゃ)が用いられていました。人車は人力で荷物を運ぶ車で、郵便物運搬用の人車には枠車と函車の2種があり、赤い躯体と大きな車輪が特徴的でした。現在の郵便局のバイクや郵便自動車は赤い色ですが、郵便物運搬用の人車にはすでに赤い色が使われていたことが分かります。当時、赤い人車は大変珍しく、町なかでは非常に目立っていたため、「東京中の多くの人々に郵便のことを知らせる広告となった。」と、後に前島密が『郵便創業談』の中で語っています。1892年に小包郵便の取扱いが開始されてからは、人車は小包の輸送のみならず、配達にも利用されました。


竜文(りゅうもん)切手

日本で最初に発行された郵便切手は、郵便創業の明治4年3月1日(新暦では1871年4月20日)に発行された4種類(四十八文・百文・二百文・五百文)です。この切手の意匠には、当時の政府発行の紙幣(太政官札)に使用されているのと同じ「竜(りゅう)」が描かれ、料額の単位が「文(もん)」であることから「竜文(りゅうもん)切手」(竜文切手4種)と呼ばれています。


八角時計

郵便物を時間どおりに取りあつめたり運送したりするため、1874年から全国の郵便役所や取扱所に配備されました。当時は時計がめずらしかったので、郵便局に置かれた時計を見るために局を訪れる人もいたといいます。


報時器

からくり儀右衛門こと、田中久重が開発した日本最古の報時器です。この報時器による正午の正午報(時報)は、1878年から開始されました。


ガワーベル電話機

前島密が日本に電話事業を導入した創業当時の電話機で、これは日本初の実用機でした。1879年、イギリス人のガワーが発明した送話器とアメリカ人のベルが発明したベル電話機を組み合わせて作られたもので、「ガワーベル電話機」と呼ばれています。


郵便行李

郵便創業時の郵便行李。この中に郵便物をあて先別に小袋に入れ格納し、郵便逓送人が肩に担いで、宿駅間をリレー式に継ぎ送りました。郵便を格納するものの名称は、郵便行李から郵便行嚢となり、その後は郵袋となりました。現在はプラスティックケースとなり、パレットに積まれて搬送されています。


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